■マナーが問われ始めた「車中泊」
どうしても眠気がとれず、クルマのなかで眠りたいとなれば、車中泊となる。
まず、車中泊の禁止場所について。道の駅やサービスエリアやパーキングエリアは宿泊禁止で許されるのは仮眠のみで、日中の停めっぱなしや夕方から夜間でもおよそ10時間以上の駐車は禁止されていて、公共施設や公園の無料駐車場も原則禁止であることをまず確認しておきたい。
車外でのキャンピング行為は当然ながら御法度だ。いっぽうで、車中泊が可能な施設もあるので事前の情報収集はマストといえる。
車中泊が可能でも、マナーといえる部分は気をつけなければならない。残念ながらこれを細かい部分まで理解・実践しているユーザーは、車中泊する機会そのものが少ないから知識は不足がちになるのは避けられない。
マナー遵守が基本だが、長期滞在やキャンプ行為、許可のない公共の電源の使用、ゴミの不当投棄などが問題になってくると、まっとうな利用者が減ってしまうという、まったく本末転倒な自体になることだけは避けたい。
■雪でクルマが埋まった場合はマフラー回りの雪を取り除こう
実際に車中泊をすることになれば、特に冬場では注意が必要だ。例えば真冬なら室内が25℃程度も屋外が氷点下になるなど、想像以上に室内と外気の温度差が大きくなる場合が起こりうる。
できれば冬仕様(耐寒温度−15℃)の寝袋、欲をいえば寒気を防ぐために窓の目張り、電気毛布を一晩使える大容量のポータブル電源など、防寒グッズを備えておきたい。
エンジンのかけっぱなしは避けるべきだ。排ガスは室内に自然に入り込み、密閉空間となった室内では一酸化炭素中毒になる危険性がある。
雪が降っている場合には、睡眠中に積雪でマフラーが雪で詰まって排ガスが車内に充満してしまう事故も見られるから、マフラー周りの積雪があれば取り除いておくことに気を留めておきたい。
■車中泊が公認されている場所を選びたい
きちんと整備された施設を利用するのは間違いないのない選択肢だ。車中泊が公認されている駐車場を備える「RVパーク」や日本RV協会・くるま旅クラブと提携しているホテル・旅館の駐車場を利用できる「湯YOUパーク」を利用するのもオススメ。
たとえば「RVパーク」には専用の駐車スペースがあり、1週間くらいの滞在も可能で、入退場制限が緩やか。予約が必要とされず、24時間利用が可能なトイレがあることや、ごみ処理施設や100V電源が使用可能(有料の場合あり)、ほぼすべてのRVパークの近くに入浴施設があるなど、利便性の点では利用を考えてよいはずだ。
海外に比べ日本では長期の休暇を使ってクルマを利用した旅を愉しむ人が少なかったように感じていたが、その数は確実に増えてきているように思える。
もちろんクルマのある生活や長距離の移動を愉しむことに異論はないが、クルマを使いこなすことが迷惑行為につながってしまっては元も子もない。まず必要なのは、施設側の「おもてなし」ではなく、使う側の周囲への「おもいやり」ではないだろうか。
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