積雪地方ではすでに厳しい真冬を迎えていると思いますが、これから都心部でも最低気温が氷点下まで下がる日が増えてきそうです。
そんな厳しい寒さが続いていますが、車内の暖房やシートヒーターを入れると、ポカポカと暖かくて、つい眠気に誘われてしまいますよね。
そう、この時期に気を付けなければいけないのは居眠り運転です。そこで、居眠り運転が起きないように眠気を防ぐにはどうすればいいのか? なにかいい方法はあるのか?
また、どうしても眠くて車中泊することになったら、この時期、気をつけるべきことは何か? モータージャーナリストの岩尾信哉氏が解説致します。
文/岩尾信哉
写真/ベストカー編集部 Adobe Stock
■居眠り運転は違反点数2点、反則金9000円
今でも忘れられない居眠り運転を目撃してことがある。今を遡ること十数年前、取材帰りの夜の帳が降りた中央道の短いトンネルが続く中央道だった。
アコードのセダンだと思うが、追い越し車線を70~80km/hで前方を走行していたところ、突然右側のボディから火花を飛ばし始めた。
爆音とも金属音とも表現しにくい異様な音がトンネル内に響き渡って呆然としつつも、当時はケータイも持っていなかったから警察に連絡するなど思いもよらず、ただただ慎重に走行車線を通りすぎたことを思い出す。
ドライバーがどのような理由で意識を失っていたかは知る由もないが、重大事故につながらなかったかと、今も心のどこかに引っかかっている。
居眠り運転を法律的に定義すると、過労運転と居眠り運転を含む漫然運転(安全運転義務違反に含まれる)に分けられる。
法律上微妙に異なるというのはあまり考えがおよばないかもしれない。バスやトラックといった旅客/運送業での運用が絡むので区別されるのだろうが、前者の場合、道路交通法第66条第1項に過労運転等の禁止という項目があり、「何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」(道路交通法第66条第1項)とある。
居眠り運転で「安全運転義務違反」と判断された場合は、交通違反点数の加点と反則金の支払いの対象となる。
「車両の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と道路交通法第70条にある。
違反点数は2点(いわゆる青切符)で、反則金の金額は普通車:9000円、二輪車:7000円、原付車:6000円。罰則は3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金となる(同第百十九条)。
多くの人が経験しているはずの居眠り運転は、高速道はもちろんのこと、一般道でも重大な事故につながり、クルマを日々利用する人ほど、いわゆる“ヒヤリハット”として関わる確率が高くなるのだから油断大敵だ。
居眠りしやすい走行条件は「道路が直線区間で空いていて、同乗者がいないか眠っていた場合」とされている。身体の状態を見ると、睡眠不足、疾病、薬の服用、不規則な生活習慣などが影響するとしている。
(※そもそも居眠り運転は事故を起こす。クルマは移動の道具でもあるが凶器でもあり、自分だけでなく多くの人の命を奪う可能性もある。眠いと思ったらすぐ休憩を!)
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