■スバルXVの基本性能の素晴らしさを知る!
そうした実体験を踏まえながら、同じ道をスバルの4WDで走ったらどうなるかと、ワクワクしながら山形駅にほど近いホテルをスタート。
最初に試乗したのはXV 2.0i-Sアイサイト。e-BOXERではなく2Lのガソリン車。その前に、スバルの4WDシステムはどうなっているのか説明しておこう。キャラクターに合わせて車種ごとに複数のAWDシステムを用意している。
1/アクティブトルクスプリットAWD/インプレッサ、XV、レガシィ、フォレスター、レヴォーグ1.6L
特徴:燃費と安定性を重視した電子制御AWD
駆動力配分:軸重配分(60:40)を基本にロックまで可変
2/VTD方式AWD/レヴォーグ2L、WRX S4
特徴:髙出力に対応した走りの電子制御AWD
駆動力配分/前45:後55、可変
3/ビスカスLSD付きセンターデフ方式AWD/MT、海外仕様のXVなど
特徴:自然なフィーリングが特徴の機械式AWD
駆動力配分/前50:後50
4/DCCD方式AWD(MT、WRX STI)
特徴:操る愉しさを実現させる電子制御AWD
駆動力配分/前41:後59、可変
■X-MODEの威力に助けられた!
今回の雪上テストで試乗するXVとフォレスターe-BOXERは1のアクティブトルクスプリットAWDを採用し、悪路走破性を高めるX-MODEが付いている。
このX-MODEは、今回のような雪道での発進や悪路の登坂などでタイヤが空転するようなシーンでの走行性能を極限まで確保する機構で、停車時または約20㎞/h以下で走行中スイッチを入れると制御が瞬時に介入し、40㎞/hまで作動する。
山形駅にほど近いホテルを朝8時にスタートし、山形道を走る。しばらく雪がなかったが、「五月雨を集めて早し最上川」(松尾芭蕉)で有名な最上川を右手に見る県道13号線あたりから圧雪路になっていく。
山道をおそるおそる登っていくと道の左右には2m以上の雪壁が迫ってくる。乗り替え地点となった肘折温泉付近まで、コンクリートがむき出しの路面あり、圧雪路あり、雪が溶けて凍った凍結路あり、途中雪が降り出したため20cmほど新雪が積もった路面あり……と、まさにリアルワールド、さまざまな表情をみせてくれた。
新雪が20cmほど積もってきた道路に差しかかったところで、雪壁の真下でX-MODEのDEEP SNOW/MUDモードを試してみた。
X-MODEのノーマルモードでは抜け出せない状況だったが、DEEP SNOW/MUDモードに入れ、さらにVDCオフスイッチを押すと、一瞬タイムラグがあったものの、トラクションが回復して抜け出すことができた。
続いて下りの圧雪路。これは1月に月山をフリード4WDで走らせた時に恐怖を感じた路面と似たような状況だった。
何気なく下りを少しずつブレーキをかけながら走っていると、コーナーを曲がろうとした瞬間、「曲がらない、ブレーキングをするも止まらない」となり、最後は雪壁の30cm手前で停まった、あの時と同じような状況だ。
その時と同じことをXVのX-MODE、SNOW/DIRTモードに切り替えて試してみた。すると自動でブレーキ制御が行われて、ズリズリと滑ることなく、こちらのステアリング操作通りにトレースしながらコーナーを曲がるのだった。
SNOW/DIRTモードに切り替えると、20km/h以下でヒルディセントコントロール機能が働いてブレーキ制御を行われるので、冷や汗をかかずにかかずにステアリング操作に集中できて、曲がってくれるという訳だ。
もちろん、4WD性能だけでなく、XVのすばらしさはほかにもあった。雪が降っていて視界がよくない状態でも、前方および後方視界がいいので、安心感があり、乗り心地も上質。長時間乗っていても疲れなかったことも褒めておきたい。
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