■e-BOXERは豪雪地帯でも大丈夫なのか?
肘折温泉近くのふるさと未来館で、昼食をとった後、XVからe-BOXERを搭載するフォレスターadvanceに乗り代えて、次の中継地点、出羽三山神社を目指した。
こちらの道路もかなりの剛の者。まだ13時を回ったところだというのに、−7度まで気温が下がり、ぼた雪が降ってきた。
試乗車は、e-BOXERというモーターアシスト型ハイブリッドシステムと2L水平対向4気筒エンジンを組み合わせたパワートレインを搭載しているフォレスターAdvanceグレード。
駆動システムはX-MODE付きの前後駆動力配分60:40を基本としたアクティブトルクスプリットAWDである。
XVに比べるとフォレスターは大きいせいもあるが走りに絶対的な安心感がある。SUVということもあるが、視界がよく、乗りやすいし、乗り心地も上質だった。
もちろん、深い雪でもスタックすることなく安心して走ることができたし、圧雪路や凍結路でも曲がらない、止まらない、ということはなかった。
■ハイブリッドにつきものの回生ブレーキは邪魔?
ここで、フォレスターe-BOXERの回生ブレーキはどうなのか、遠くが見渡せる緩やかなコーナーで、X-MODEのSNOW/DIRTモードを試してみた。
モーターがガソリンエンジンをアシストするハイブリッドの場合、減速エネルギーを利用する回生ブレーキが備わっているが、滑りやすい路面のコーナリング時には、前輪に制動力が加わり、スリップが大きくなり、アンダーステアが強くなる傾向がある。
しかし、X-MODEのSNOW/DIRTモードに切り替えると、アンダーステアにならずにコーナーをクリアしていく。これは、後輪への回生量を増やすことで前後の回生量を最適化しているからだそうだ。
オーバースピードでコーナーに進入すると、そのかぎりではないが、回生ブレーキ時のアンダーステアをこれだけ防いでくれるのは秀逸だ。
また、アイスバーンや圧雪路、段差を乗り換える時、スリップしやすいのでアクセルワークに気を使う必要があるが、フォレスターe-BOXERの場合、アクセルペダルがダイレクトに反応してくれるので、踏みすぎになることもない。
スバル電動パワーユニット研究実験部の稲葉之人氏によれば、「2.5Lのガソリン車に比べて、e-BOXERは、モーターのトルクを優先的に配分するため、アクセルワークの応答が1秒早くなります。また他メーカーのハイブリッドは、滑りやすい路面でのこうした制御は行っていないので、こうした点はスバルの冬期性能のこだわりだと思っていただければと思います」。
ちなみにe-BOXERの販売割合だがフォレスターは全体の47%(2018年5月の新型フォレスター受注開始時点より)、XVは全体の36%(2018年のXVマイナーチェンジ以降)とのこと。
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