【市販ナビ編】大画面、高音質など常に新しい提案を商品化
いっぽうの市販モデルはここ数年、純正モデルの台頭もあり、苦戦していたこともあったが知恵と技術で市場自体を拡大し牽引してきた。
その最たるものが「大画面化」である。前述した2DINサイズにより画面サイズには上限はあった。しかし「入らなければ作ってしまえばいい」ということで、カーナビの取り付けスペース周辺のパネルなどを専用設計し、従来より画面サイズを拡大した。これが大画面化の大元となった考えである。
その後、車内空間の広いミニバンやSUVを中心に大画面化は加速、先駆けであるアルパインやカロッツェリアを中心に現在では11型という車種専用モデルも数多く販売されている。
いっぽうで大画面化を希望しても取り付けキットが販売されていなかったり、取り付け工賃が高いので二の足を踏んでいたユーザーに対してストラーダが2DINスペースを活用しディスプレイを前面に浮かせる構造のモデルを発売し大ヒットした。ちなみにこのモデルの場合は350種類の車種に対応していることもユーザーの支持を集めた理由だろう。
ナビゲーション機能に関しては各社、ユーザーインターフェースなどを強化したり、カロッツェリアが従来から展開しているテレマティクス技術である「スマートループ」もケンウッドやダイヤトーンの一部モデルでも活用することができる。
またAV機能に関しても先取りしているのが市販ナビの利点のひとつだ。
特に音に関しては早い時期から高音質を謳う「ハイレゾ音源」の再生に対応。その能力を出し切るためには専用のスピーカー等も必要となるが、現在装着されているスピーカーでも音の進化は誰でも感じ取ることができるはずだ。
さらに高画質のブルーレイディスクの再生もストラーダ(パナソニック)が実現している。一部純正ナビにも設定モデルはあるが、これも結局はパナソニック製だったりする。
元々ブルーレイディスクはDVDより大容量なので、家で録画したコンテンツをこちらに移すことで車内でも長い時間の映像が楽しめる。特にミニバンなどで後席に子供を載せる際など映画やアニメなどもリアモニターとの組み合わせることでドライブを楽しく演出してくれることは間違いないだろう。
今後カーナビはどこへ行くのか?
今回のテーマに沿っていくと、200万~300万円するクルマと一緒に購入するからか、つい気を許してしまうケースも多いが、カーナビは安いものでも10万~20万円するから、コストという面では原則として無料で使える(通信料金は別)スマホナビの優位性は確かにある。
また地図更新やプログラムのアップデートのリアルタイム性も高く、この点ではどうしても専用モデルが不利になってしまう。つまり、純正であろうと市販であろうと進化スピードの早いスマホナビを上回る価値を提供し続けなければならない。
専用モデルのメリットとしては「耐久性」、「地図や画面の見やすさ」「ユーザーインターフェースに代表される使いやすさ」さらに「さらにシステムの拡張性」などをブラッシュアップさせながら、通信を活用することでスマホとの差を縮めることが求められる。
また純正と市販、どちらがいいか? という問いに関しては正直言えば、永遠のテーマ? かもしれない。ただ同等の機能で比較した際、市販モデルの方が全体的に価格は安く抑えることができる。
同様にシステムアップの自由度も高い。納車時にはすべてのシステムが装着されていることを望むのであれば純正だし、納車後にじっくり選びたいのであれば市販を選べばいい。
ここからイメージできる将来像のひとつとして前述したディスプレイオーディオがひとつの鍵を握っているような気がする。
市販モデルではカロッツェリアやケンウッドが商品化しているが、この考えを使えばナビアプリなどは優れた技術を持つサードパーティに任せ、耐久性や画質、使いやすさだけをユニットを開発するメーカーが持てばいい。
自前主義ではなく、パートナーシップとして世に送り出すことにより、アプリの進化をダイレクトに車両で感じ取ることができるはずだ。また当然のことながら価格も抑えられるなどメリットは多いのである。
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