178ps/26.6kgmというスペックは、現在なら2L級ダウンサイズターボで容易に達成可能な数字だが、お家の事情でそれを3LV6でまかなっているのが三菱6G72。まったく、運命というものはわからないものである。
○三菱4N14
6G72に続いてまたも三菱ネタとなるが、デリカD:5に搭載される4N14型2.2Lディーゼルターボもユニークな存在だ。
デビューが2007年だから、それほど“ご長寿エンジン”というわけではないが、きちんとお金と手間をかけて進化させれば、10年選手でも最新ディーゼル並の優れたパフォーマンスを発揮するという良き見本といっていい。
デリカD:5は唯一オフロード走行可能なミニバンとして一部ユーザーに根強い人気があるが、それが4N14を進化させるモチベーションとなっている。
需要が見込めれば投資が可能となり、コストを掛けることができればエンジンは進化する。この好循環がうまく回ったことで、あわやフェイドアウトかと思われた4N14が息を吹き返したのだから面白い。
先日のデリカD:5大規模マイチェンでデビューした改良型4N14は、尿素SCRを採用するなど最新トレンドの排ガス浄化システムを採用。
もちろん、そればかりではなくムービングパーツの軽量化や徹底したフリクションの低減などによって、乗ると「別物じゃん!」と驚くような進化を遂げている。
技術者のサガとしては、すべてを新しくして理想のエンジンを開発するのが夢だが、最新技術で古いエンジンを蘇らせるのも、やり甲斐のある仕事。4N14の進化は、そのお手本として高く評価できるエンジンだ。
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