【かわいそうなクルマ辞典】早すぎた!? 迷走だった!?「機能」がかわいそう編

 クルマたちは「乗ってほしい」という志を持って世に送り出される。が、悲しいかな、開発の狙いや販売戦略がうまくいかない場合もある。たいていは販売不振に陥り、短命に終わる結果に……。

 その不遇さゆえに、「ざんねん、惜しいなぁ」のひとつ上いく「かわいそう」という思いを抱かずにはいられないクルマたちを、国産旧車をメインに取りあげる『かわいそうなクルマ辞典』。今回は「機能がかわいそう編」。

 ユーザーのことを思い、「これはイケる」と特有の機能や工夫を施したのに、かわいそうなことになっちゃったクルマたち8台をご紹介します……。

■前回の企画… 【志は高かった! しかし…】 かわいそうなクルマ辞典 「狙い」がかわいそう編

※本稿は2019年2月のものです。各かわいそう度は「10」が最高点
文:伊達軍曹(文末の「編」は編集部担当)
初出:『ベストカー』 2019年3月26日号


■現場の人たちがかわいそう!? ホンダ 1300

 時代の趨勢が空冷エンジンから水冷へと変わっていった1960年代末期。しかし本田宗一郎は断固としたこだわりをもって「超高性能空冷エンジン」の採用に固執。

空冷エンジンにこだわったばっかりに…

 だがその結果、超高性能空冷エンジンは異様に大きく重くなってしまい、操安性も最悪といえるレベルに。創業者のこだわりは理解できるが、さすがに現場の人たちがかわいそう!?

[(´;ω;`)かわいそう度]★★★★★★★★★★

■早すぎた灰皿オプション マツダ ペルソナ

 現在、40代男性の喫煙率は約35%。だがそれが65%を超えていたバブル真っ只中の1988年11月に、「灰皿とライターはオプション」という英断を伴って登場した4ドアピラーレスハードトップ、それがペルソナだ。

外観も内装も上質感を打ち出したが……

 しかし、タバコ命だった当時の男たちからは「なんだそりゃ!」とバッシングを受け、1992年3月には早くも廃番。今だったら「灰皿とライターはオプション」なんて当たり前の話なのに。登場がちょっと早すぎてかわいそう。

[(´;ω;`)かわいそう度]★★★★★★★★★☆

■ 名前負けでした… 三菱 デボネア300ロイヤルAMG

 バブル初期の1986年に突如登場した、三菱とAMGのコラボモデル。今やメルセデスの1部門となったAMGだが、当時はバリバリの独立系チューナー兼レーシングコンストラクターだった。

バブルの到来とともにやってきた感のある佇まい。が、期待されたエンジンが……

 期待は大いに高まったが、AMGが手を入れたのは内外装で、エンジンは完全ドノーマルなままで、みんなドン引き! そのためぜんぜん売れず。無駄に飾り立てられ、そして失笑されたデボネアがなんともかわいそう。

[(´;ω;`)かわいそう度]★★★★★★★★☆☆

■ 「V8」と勘違いされた悲運 日産スカイライン350GT-8

 当時この車名を聞き、数多く存在していたスカイラインファンは「すわっ!スカイラインもついにV8を搭載か!」と色めき立った。

縦目が個性的なスカイライン350GT-8。搭載されるエクストロイドCVTは、ディスクとパワーローラーを使う無段変速機。「8速MTモード」なので車名に「8」が!

 だがよくよく聞くと、それは「8速MTモード付きエクストロイドCVTを採用しました」というだけの話だった。決して悪いクルマではなく、ファンを楽しませたが「人騒がせな!」と怒られた。紛らわしい名前のせいで、ちょっとかわいそうな運命だった。

[(´;ω;`)かわいそう度]★★★★★★☆☆☆☆

■補助席並みの3列目 トヨタ マークXジオ

 2007年から2013年まで販売された、ほとんどアンコ型力士のようなフォルムのマークX派生モデル。マークXという名なのに駆動方式はFRではなくFFで(これはイカン)、最大7人乗りとなる3列シートモデル。

写真上がマークXジオ、それの3列目シートだ。狭いし、シートがペラペラ

 上級クラスのクルマではあるが3列目シートの質感は観光バスの補助席並みにチープ。クルマというより、やはりそこに座る人がかわいそう。

[(´;ω;`)かわいそう度]★★★★★★★☆☆☆

■座る人がかわいそう… “極狭3列目三銃士”

 現行ホンダCR-Vの3列目シート、図体のわりに狭すぎ。という話をよく耳にするが、極狭度で上をいくモデルは過去にもあった。

 初代プレマシー、パッソセッテ、キューブキュービックという3モデルだ。「ここに座って1時間はムリ!」という3列目を備えるこれらを“極狭3列目三銃士”と命名しよう。座る人がかわいそうです(編)。

三銃士の一台、キューブキュービック。この写真を見ていても「…3列目?」と思う

[(´;ω;`)かわいそう度]★★★★★★★★☆☆


【番外コラム】 輸入車「かわいそう」編

■クライスラー ネオン

 日本製小型車に対抗すべく企画され、「日本車キラー」として1996年に上陸。が、「日本車キラー」はあくまで自称だったようで、実態は“単に粗雑な作りの小型乗用車”。そのためまったく売れず、2001年には自らをキルして日本から撤退。とはいえ1999年に一応2代目も販売したのは立派かも? でもやっぱりかわいそう。

クライスラー ネオン

[(´;ω;`)かわいそう度]★★★★★★★★☆☆

■サターン Sシリーズ

 続く北米からの刺客(日本車キラー)はサターン。が、内装質感はチープでハンドリングも大味。販売拠点数が少ないこともあり、日本での認知度が低すぎた、かわいそうなクルマ。CMでは「礼をつくすクルマ」というキャッチコピーだったが、「礼をつくす間もなく」撤退……(編)。

サターンSC 2 クーペ

[(´;ω;`)かわいそう度]★★★★★★★★★☆

■アストンマーチン シグネット

 トヨタiQをベースに内外装をアストンマーチン風味に仕上げた。高級セカンドカー市場を狙ったが、価格約500万円も仇となり、てんでダメ。かわいそうな人生でした(編)。

アストンマーチン シグネット

[(´;ω;`)かわいそう度]★★★★★★★★★☆

■VW イオス

 電動格納式ハードトップ採用のオープンとして2006年に発売。決して悪くないクルマで、電動ルーフも「世界初の5分割!」となるキメ細かな動きが自慢。だがキメ細かに動きすぎたのか、肝心の電動ルーフはかなりの確率で故障が発生。そのせいかどうか、不人気モデルのまま生涯を終えた……。

VW イオス

[(´;ω;`)かわいそう度]★★★★★★★★★☆

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