SUV最激戦区でトヨタRAV4に勝機はあるのか?

 ハリアーもC-HRもよく売れているトヨタ。そろそろ飽和状態にあるSUV市場に、北米からもってきたRAV4に勝算はあるのでしょうか? 受注の状況、評判は? トヨタのラインナップで競合して食い合うことはないのか? ウリは?? などの調査レポートをお届けします。

文:遠藤徹
TOYOTA、ベストカー編集部


■ハリアーとの「棲み分け」は可能なのか?

 2019年4月10日、いよいよトヨタの新型RAV4が発売になる。同クラスには同じトヨタのハリアーがあり、下にC-HRが存在し、どちらも好調な販売推移を見せている。こうした中で新型RAV4の投入が必要なのか? といった見方もある。

新型RAV4。日本では2016年7月に3代目の販売が終了したが、世界戦略として4代目が販売され、売れ筋SUVとして存在感を強めている(画像は北米仕様)

 すでに3月上旬から事前予約をスタートさせ、今のところ順調な受注ピッチを刻んでいる状況にあるRAV4だが、ほぼ同じクラスであるハリアーとの棲み分けはどう考えているのか。

同じくトヨタから販売されているハリアー。2019年2月の新車販売台数は3770台(前年同月比は125%)。価格は294万9480円〜498万4200円(特別仕様車を含んだ価格)

 首都圏にあるRAV4取り扱い店のカローラ店、ネッツ店の営業マンによると「ハリアーが街乗り向きでシティ感覚のアッパーミディアムSUVで、売れ筋は2WDが中心なのに対して、新型RAV4はほぼ同クラスだがアクティブなラフロード走破性のよさを重視したつくりで、4WD車をメインに販売することにしている」とコメントしている。

■広さ・走安性はRAV4 でも車格はハリアーが上!?

 搭載するエンジンはRAV4が2Lガソリンと2.5LハイブリッドでどちらもFF、4WDを設定。ハリアーは2Lガソリン、2Lターボ、2.5Lハイブリッドで2Lガソリンと2LターボはどちらもFF、4WDを設定しているが、ハイブリッドは4WDのみとなっている。

 ボディサイズはRAV4が全長4610mm、全幅1865mm、全高1690mmに対してハリアーは全長4725mm、全幅1835mm、全高1690mm。ホイールベースはRAV4が2690mm、ハリアーは2660mm。

RAV4。開発コンセプトに「Robust Accurate Vehicle with 4 Wheel Drive」(SUVらしい力強さと、使用性へのきめ細やかな配慮を兼ね備えた4WD)を設定している(画像は北米仕様)

 つまり、全長はハリアーのほうが115mm長いが全幅はRAV4のほうが30mm広く、ホイールベースはRAV4のほうが20mm長いので、RAV4のほうが室内は広い上に走行安定性が良いともいえる。

 価格帯は車両本体でRAV4が260万8200円~381万7800円なのに対して、ハリアーは294万9480円~498万4200円(特別仕様車を含む)であり、単純に比較するとハリアーのほうが34万1280円~116万6400円も高い。

 RAV4のほうが室内が広く走安性でも上と見込まれながら、ハリアーの価格が高いのは、ハイクオリティなつくり、質感などでハリアーのほうが上級に位置づけられていると考えていいのだろう。

 RAV4がライバル車として想定しているのはエクストレイル、フォレスターなどの4WD志向モデル。これに対してハリアーはCX-5、CR-Vなど、やはりひとつ上のアッパーミディアムクラス勢が相手だ。

こちらもユーザーの選択肢に入るだろうC-HR。2019年2月の新車販売台数は6085台(前年度同比79.8%)。価格は229万円〜279万9600円。どうやら車格の面で考えると、C-HRとハリアーの中間に位置づけられるのがRAV4、と考えてようさそうだ

■トヨタ販売店の統合がハリアーに不利にはたらく?

 現時点での全国的な扱い店は、RAV4がカローラ店とネッツ店、ハリアーはトヨペット店の専売となっている。

 東京地区だけは2019年4月1日からメーカー資本のトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店が統合し「トヨタモビリティ東京」が発足したことで、扱い店が同じになる(編集部註:トヨタでは2025年をめどに全国レベルでも既存ディーラー4社を一本化する方針だという)。

 下記ディーラーの証言も踏まえて考えると、今後RAV4が本格的な販売に入れば、ハリアーと競合し、結果ハリアーの存在価値がなくなってしまう可能性は十分にあるだろう。

ニューヨーク国際自動車ショー(2018年3月)でのRAV4発表会の様子。果たしてハリアーやC-HRと食い合うことなく存在感を示していくことができるだろうか(画像は北米仕様)

■【ディーラーの証言】 気になるRAV4納期とハリアーとの関係は?

【証言1】 首都圏カローラ店・ネッツ店

 新型RAV4は好調な受注推移を見せている。4月上旬から予約受注を開始しているが、4月初め現在の納期は3カ月待ち6月中旬以降となっている。発売になれば一挙に8月以降に延びる可能性があるという。

 今のところ4WD車が半分以上と多く、特にラフロード志向の「アドベンチャー」の引き合いが目立つ。2WD車の売れ行きも良いので、こちらの人気動向次第でハリアーは必要なくなり、近い将来にはRAV4に集約される可能性もある。

 事実、ハリアーの購入希望者が新型RAV4に鞍替えしたケースも出ている。

【証言2】 首都圏トヨペット店

 新型RAV4はラフロード走行重視の4WD主体モデルに対してハリアーはシティ感覚のSUVとコンセプトが異なる。販売の80%が2WDで占められるので、両モデルが競合することはあまりないと思う。

 現行モデルの登場が2013年11月だから、来年後半あたりには世代交代の時期を迎える。そうなるとさらにクオリティアップし、上級シフトし、RAV4とのコンセプト分けはさらに明確になるように仕立てるに違いない。

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