■第2位はハイゼットと双璧をなすキャリイ
【2位 スズキキャリイ(2013年8月登場) 6万1389台】
ハイゼットトラックとほぼ成り立ちで、軽トラック業界ではハイゼットトラックと双璧を成す存在だ。
先代モデルは登場からしばらくは、タイヤを前に出したロングホイールベースのみだったが、タイヤがシートの下にあるショートホイールベース仕様が追加された。
タイヤがシートの下にあると小回りそのものに加え、フロントバンパーが道から出て空中にあってもタイヤが道から落ちる寸前までハンドルを切るタイミングを遅らせられるというメリットもある。
このあたりはユーザーフレンドリーなスズキらしい対応だ。
最近のトピックスとしてはハイゼットトラックのジャンボのようなキャビンを持つスーパーキャリイの追加があったが、キャリイはハイゼットに比べるとバリエーションが事務的な印象。
安全装備も自律自動ブレーキとは言いにくいソナーを使った前後の誤発進抑制機能が付くだけと全体的に商品力に欠け、販売台数でハイゼットトラックに離されたのもよく分かる。
※スズキは販売統計を非公表
■農道のNSX!! 第3位はアクティトラックだ
【3位ホンダアクティトラック(2009年12月登場) 1万5746台】
ホンダの軽トラックは、伝統的にエンジン横置きのFF車のエンジントランスミッションをクルマの中心に置くミドシップ構造という成り立ち。
ミドシップを採用する大きなメリットとしては上り坂での登坂力に代表されるトラクションの高さが挙げられる。
アクティトラックは登場時期を見ても分かるとおり自律自動ブレーキの類がないのをはじめ、エンジンはホンダの軽自動車用として見ると2世代も前のもの。各部の古さは否めない。
しかしミドシップ構造を採用するのもあり、ビートに乗っているような運転する楽しさを感じる点だけは、フィーリング的なことながらハイゼットとキャリイという二強に対するアドバンテージ。
クルマ好き的にはアクティのエンジンはビートと同じE型だけに「ビートの三連スロットルMTRECを付けたら?」なんてことも考えてしまう。
なおアクティはミッドシップということもあり、生産はS660と一緒にホンダオートボディ(旧八千代工業)で行われるのもマニアにはたまらない。
販売統計で入手できたのはトランスミッションのみで、3AT/10%、5MT/90%とのこと。
軽トラックのMT比率は高いが、その中でもアクティはマニアックな部類なのもありMT比率が特に高いということだろうか。
■OEM軍団は日産とスバルが4位と5位
【4位 日産NT100クリッパー(2013年12月登場) 1万1509台】
日産は乗用車を含め軽自動車は自社で生産はしておらず、軽トラックもスズキからキャリイをNT100クリッパーの車名で販売している。
グレード体系はスーパーキャリイに相当するものとMTを自動化したAGSがない以外ほぼキャリイに準ずる。
OEM車でも昨年1万台以上が売れるのは、やはり潜在的な日産の販売力の強さと言えるだろう。
※日産は販売統計を非公表
【5位 スバルサンバートラック(2014年9月登場) 5996台】
スバルは軽トラック&軽1BOXのサンバーも含め長年軽自動車も自社開発&生産していたが、残念ながら軽自動車から撤退。
トヨタグループのダイハツからOEM供給という形になり、軽トラックはハイゼットトラックをサンバートラックとして販売している。
サンバートラックはオプションの選択肢がややハイゼットトラックに比べると狭まるが、ハイゼットトラックのジャンボに相当するグランドキャブも設定される。
自律自動ブレーキも含め基本的にはハイゼットトラックに準じたグレード体系となる。またサンバーが自社開発&生産時代に市場を開拓した原動力となった、農業仕様やタフでより実用的な赤帽仕様も健在だ。
【スバル提供の販売データ】
●人気グレード
TB(ベーシックグレード):約47%
TC(上級グレード):約18%
その他:約34%
(分析)
その他には赤帽仕様は含まれず、グランドキャブ、ダンプとパネルバンが該当するので、グランドキャブも案外売れているということだろう。
●トランスミッション/駆動方式
4AT:33%
5MT:67%
2WD:18%
4WD:82%
(分析)
自社開発&生産時代の名残り、「4WDのスバル」というイメージによるものなのか、やはり4WDの比率は高い。
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