軽トラが熱い!!! クルマ好きなら一度は欲しがる!!! 憧れの軽トラック最新販売戦国絵巻 

 普段あまり気にすることはないけれど、軽トラックは生活にはないと困るクルマ。調べてみると2018年は軽トラックは約18万台の販売実績を誇っている。

 現在自社で軽トラックを開発しているのはスズキ、ダイハツ、ホンダの3社となるが、他車に供給されるOEMも含めると日本車ではレクサスを除く8ブランドで販売される。

 そこで当記事では改めて現在日本で販売される軽トラックの販売台数を紹介する。軽トラックで一番売れているのはMTの4WDだ」という強い声もあるが、果たして結果はそのとおりなのか?

 各社が持つ販売データを入手してお届けしよう。

文:永田恵一/写真:ダイハツ、スズキ、ホンダ、日産、三菱、トヨタ、スバル、マツダ


※各社の販売台数、販売統計は2018年のデータです
※スズキと日産に関しては販売データについては非公表


■軽トラック販売台数 第1位はハイゼットトラックだ

【1位 ダイハツ ハイゼットトラック(2014年9月登場) 7万9123台】

第1位はダイハツハイゼットとなった。カラーバリエーションも豊富で軽トラックの間口を広げた存在となった1台だろう

 栄えある軽トラック販売台数第1位はダイハツのハイゼットトラック。ノーズのないボディに、エンジンはシート下に縦に積むという実にオーソドックな軽トラックである。

 しかしグレード体系などを見ると、超定番のホワイトとシルバー以外にオレンジやピンクなどの明るいボディカラーを用意しているのも特徴。

 農業に従事する女性をターゲットにしたもので、乗車中に日焼けしにくいようUVカットガラスなどをセットにした農業女子パックを設定。

 さらに軽トラックの数少ない難点である居住性の悪さを解消する「ジャンボ」を、なんと1983年からラインナップする。ちょいデカ軽トラックのパイオニアなのだ。

 機能面でも人間の目のように2つのカメラから構成されるステレオカメラを使ったSAIIItと呼ばれる、軽トラック唯一で歩行者にも対応するなど高い性能を持つ自律自動ブレーキを持つ。

ハイゼットトラックに搭載されるSAIII t。人間も感知する性能も兼ね備えており軽トラック界では随一の性能を誇る

 2WDに副変速を加え負荷の小さい走行時の燃費を向上させるエコパックや、沿岸部などの仕様を想定してのものか強力な防錆が施されるストロング防錆パックを設定するなど、芸が細かい。

【ダイハツ提供の販売データ】

●人気グレード

スタンダート:約45%
ジャンボ:約20%
エクストラ:約15%
スタンダード営農スペシャル:約10%
その他:約10%

(分析)
 自律自動ブレーキなしの2WD+MTでも約110万円するジャンボが約20%も売れていることに驚く。やはり需要はあり、それを35年以上も前から続けてきた開発陣へのご褒美といったところだろうか。

最近になってようやく時代が追いついた感もある「ジャンボ」。キャビンがちょっと広い軽トラックは大きな需要が眠っていた!!

●SAIIIt装着率:約60%

(分析)
 自律自動ブレーキの装着率も軽乗用車に比べれば低いにせよやはり高く、「幅広い人が乗る軽商用車にこそ安全装備が欲しい」という潜在的な需要にハイゼットトラックが応えていることがよく分かる。

●トランスミッション/駆動方式

4AT:約40%
5MT:約60%

2WD:約30%
4WD:約70%

(分析)
 ハイゼットのトランスミッションと駆動方式の販売統計を見ると、「軽トラックの1番人気はMTの4WD」という意見に信憑性を感じる。

 ハイゼットのMT+4WDにはハイローの副変速とリアデフロックが付くグレードもあり、タフな農業の現場での絶対的信頼感が大きいはずだ。

●ボディカラー

ホワイト 約55%
シルバー 約25%
その他 約20%

(分析)
 定番色以外が2割を占める。オレンジやミントグリーン、カーキといったオプションカラーで、「軽トラックにもカラーの需要はある」ということに着目し設定したダイハツにはアッパレだ。

■第2位はハイゼットと双璧をなすキャリイ

【2位 スズキキャリイ(2013年8月登場) 6万1389台】


スズキもキャリイも定番中の定番。現行型から運転席の真下にタイヤがある現代の軽トラックの形状になった

 ハイゼットトラックとほぼ成り立ちで、軽トラック業界ではハイゼットトラックと双璧を成す存在だ。

 先代モデルは登場からしばらくは、タイヤを前に出したロングホイールベースのみだったが、タイヤがシートの下にあるショートホイールベース仕様が追加された。

 タイヤがシートの下にあると小回りそのものに加え、フロントバンパーが道から出て空中にあってもタイヤが道から落ちる寸前までハンドルを切るタイミングを遅らせられるというメリットもある。

 このあたりはユーザーフレンドリーなスズキらしい対応だ。

ダンプなどの特装車ラインナップも多く、キャリイの人気を支えている

 最近のトピックスとしてはハイゼットトラックのジャンボのようなキャビンを持つスーパーキャリイの追加があったが、キャリイはハイゼットに比べるとバリエーションが事務的な印象。

 安全装備も自律自動ブレーキとは言いにくいソナーを使った前後の誤発進抑制機能が付くだけと全体的に商品力に欠け、販売台数でハイゼットトラックに離されたのもよく分かる。

※スズキは販売統計を非公表

■農道のNSX!! 第3位はアクティトラックだ

【3位ホンダアクティトラック(2009年12月登場) 1万5746台】

ユーザーからの支持も大きいが、ホンダがアクティへ対する愛も非常に高い。
スピリットカラースタイル という特別仕様車も2018年11月に発売された。うーん、かっこいい

 ホンダの軽トラックは、伝統的にエンジン横置きのFF車のエンジントランスミッションをクルマの中心に置くミドシップ構造という成り立ち。

 ミドシップを採用する大きなメリットとしては上り坂での登坂力に代表されるトラクションの高さが挙げられる。

 アクティトラックは登場時期を見ても分かるとおり自律自動ブレーキの類がないのをはじめ、エンジンはホンダの軽自動車用として見ると2世代も前のもの。各部の古さは否めない。

 しかしミドシップ構造を採用するのもあり、ビートに乗っているような運転する楽しさを感じる点だけは、フィーリング的なことながらハイゼットとキャリイという二強に対するアドバンテージ。

 クルマ好き的にはアクティのエンジンはビートと同じE型だけに「ビートの三連スロットルMTRECを付けたら?」なんてことも考えてしまう。

ミドシップながら最低地上高も維持されており実用性は問題ない。乗り味は非常に楽しいのだ

 なおアクティはミッドシップということもあり、生産はS660と一緒にホンダオートボディ(旧八千代工業)で行われるのもマニアにはたまらない。

 販売統計で入手できたのはトランスミッションのみで、3AT/10%、5MT/90%とのこと。

 軽トラックのMT比率は高いが、その中でもアクティはマニアックな部類なのもありMT比率が特に高いということだろうか。

■OEM軍団は日産とスバルが4位と5位

【4位 日産NT100クリッパー(2013年12月登場) 1万1509台】

 日産は乗用車を含め軽自動車は自社で生産はしておらず、軽トラックもスズキからキャリイをNT100クリッパーの車名で販売している。

 グレード体系はスーパーキャリイに相当するものとMTを自動化したAGSがない以外ほぼキャリイに準ずる。

キャリイのOEMとなるクリッパーNT100。地味ながらOEM車ではトップを維持

 OEM車でも昨年1万台以上が売れるのは、やはり潜在的な日産の販売力の強さと言えるだろう。

※日産は販売統計を非公表

【5位 スバルサンバートラック(2014年9月登場) 5996台】

 スバルは軽トラック&軽1BOXのサンバーも含め長年軽自動車も自社開発&生産していたが、残念ながら軽自動車から撤退。

 トヨタグループのダイハツからOEM供給という形になり、軽トラックはハイゼットトラックをサンバートラックとして販売している。

サンバーもついにOEMとなって久しい。ダイハツからハイゼットの供給を受ける

 サンバートラックはオプションの選択肢がややハイゼットトラックに比べると狭まるが、ハイゼットトラックのジャンボに相当するグランドキャブも設定される。

 自律自動ブレーキも含め基本的にはハイゼットトラックに準じたグレード体系となる。またサンバーが自社開発&生産時代に市場を開拓した原動力となった、農業仕様やタフでより実用的な赤帽仕様も健在だ。

【スバル提供の販売データ】

●人気グレード

TB(ベーシックグレード):約47%
TC(上級グレード):約18%
その他:約34%

(分析)
 その他には赤帽仕様は含まれず、グランドキャブ、ダンプとパネルバンが該当するので、グランドキャブも案外売れているということだろう。

リアエンジンで農道のポルシェとまで言われた旧サンバー。また独自性の高い軽トラックをスバルが開発してくれる日は来るのだろうか?

●トランスミッション/駆動方式

4AT:33%
5MT:67%

2WD:18%
4WD:82%

(分析)
 自社開発&生産時代の名残り、「4WDのスバル」というイメージによるものなのか、やはり4WDの比率は高い。

■6~8位は三菱、トヨタ、マツダがランクイン

【6位 三菱ミニキャブトラック(2014年2月登場) 5018台】

 三菱も以前は軽トラック&軽1BOXバンを自社開発&生産しており、日産へOEM供給するほどだったが、現在は現在はミニキャブMiEV以外は自社開発&生産から撤退。

スズキキャリイのOEMとなるミニキャブトラック。三菱もスバル同様、軽トラックの製造からは撤退してしまった

 軽トラックはスズキからOEM供給されるキャリイをミニキャブトラックの車名で販売している。グレード体系はNT100クリッパーと同様にスーパーキャリイに相当するものとAGSがない以外は、ほぼキャリイに準じている。

【三菱提供の販売データ】

●人気グレード

M:65%
みのり:25%
G:10%

●トランスミッション/駆動方式

3AT:40%
5MT:60%

2WD:30%
4WD:70%

●細かい販売上位3グレード

みのり(4WD、5MT):25%
M(2WD、3AT):18%
M(4WD、3AT);18%

 細かい販売上位3グレードを見ると、やはり軽トラックの1番人気が「MT+4WD」というのは間違いなさそうだ。

【7位 トヨタピクシストラック(2014年9月登場) 4157台】

 2011年からトヨタでも軽自動車をダイハツからのOEM供給の形で販売することになったのに伴い、軽トラックもハイゼットトラックがピクシストラックの車名で販売される。


こちらがトヨタのピクシストラック。トヨタファミリーのダイハツハイゼットからのOEMだ

 グレード体系はサンバートラックにはあるハイゼットトラックのジャンボに相当するものがない。

 代わりにオプションはハイゼットトラックにほぼ準じているのでサンバーより選択肢は広く、OEM同士だと引き分けといったところだ。

●人気グレード

スタンダード:39%
エクストラSAIIIt:16%
エクストラ:15%
スタンダードSAIIIt:15%
その他:15%

(分析)
自律自動ブレーキの装着率はそれなりに高い

●トランスミッション

4AT:51%
5MT:49%

(分析)
軽トラックの中ではMT率は低い

●駆動方式

2WD:29%
4WD:71%

(分析)
4WDの比率はやはり高い

【8位 マツダスクラムトラック(2013年9月登場) 2743台】

 マツダは平成が始まった1989年に軽自動車に復帰して以来、スズキとの関係が深いことでも知られる。

 軽トラック&軽1BOXバンは歴代車種ともスズキからOEM供給を受け、軽トラックはスズキキャリイをスクラムトラックの車名で販売している。

マツダのスクラムトラック。スズキキャリイのOEMとなる

 スクラムトラックもグレードはNT100クリッパーやミニキャブトラックと同様に、スーパーキャリイに相当するものがない以外はほぼキャリイに準じる。

 しかしボディカラーがホワイトしかない点で選択肢は狭い。販売統計はトランスミッションと駆動方式しか入手できなかった。

 トランスミッションは3AT/38%、5MT/62%、駆動方式は2WD/40%、4WD/60%とやはり「MT+4WD」の比率は高い。

■統計のまとめと今後の軽トラックの傾向

(ベストカーWeb編集部)

 非常に細かく永田氏がまとめてくれたがここから見えてきたことは大きく分けて以下の2点になるだろう。

・軽トラックの定番は販売実績から見ても「4WD+MT」である
・新たな用途としての軽トラックの需要があること

 農業などの現場ではやはり「4WD+MT」が大きなシェアを占めていた。予想はしていたものの、ここまで数字に表れるとは意外だ。

ひと昔まえでは考えられないカラーが軽トラックにも登場してきている。ホビーユースとしての軽トラックは非常に大きな需要を持っているかもしれない

 またボディカラーなどからもわかる傾向として、これまでの「働くクルマ」としての軽トラック以外にも、趣味などにも活用されていることがわかる。

 日本独自のピックアップトラックでも軽トラック。税金も維持費も安いだけに、今後はハイゼットジャンボのような「ちょいデカ」の軽トラックたちの需要も大きくなりそうだ。

 次回は軽バンランキングをお届けしよう!

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