伝統のラダーフレームやパートタイム式4WDを採用し高いオフロード性能で軽自動車の中でも屈指の人気モデルがスズキジムニー。そのジムニーが2018年7月に約20年振りのフルモデルチェンジを行い、4代目へと進化した。
そこで世代交代によって旧型となった3代目ジムニーの中古車事情について紹介しよう。
文:萩原文博
■国産車有数の「値落ちしづらいクルマ」
ジムニーの中古車は国産車の中でも値落ちしづらい車種の一台である。
例えば、1998年に3代目ジムニーが登場したときは、先代つまり2代目の中古車相場は値上がりし、3代目の中古車と価格が逆転するということがあった。最終モデルが約30年前となる2代目ジムニーの中古車は現在でも約970台も流通しており(※「流通台数」は萩原文博氏の独自調査により算出した市場の良質なタマの流通台数)、平均価格は直近3カ月の間59万円でほぼ横這いで推移している。
中古車の価格帯は9万円~183万円で高価格車はカスタムモデルとなっているものの、ジムニーの人気の高さがこの数字からわかる。
つまり、かつては三菱パジェロミニというライバルが存在したジムニーだが、現在はライバルのいない唯我独尊系のモデルとして、各世代のモデルがコアなファンから絶大な支持を得ているということなのだ。
■先代を狙うなら今が買い時!!
それでは、2018年のフルモデルチェンジによって旧型となった3代目ジムニーの中古車事情を見てみよう。
先代となった3代目スズキジムニーは軽自動車の規格変更が行われた1998年に登場。その後2004年にマイナーチェンジが行われているが、一部改良は毎年のように行われている。
中古車の平均価格の推移を見ると、3カ月前の2019年1月の時点では86万円で、2月中旬まで価格を維持していた。しかし、中古車最大の需要期の3月を控えて値落ちがはじまり、現在の平均価格は82万円となっている。
いっぽうの流通台数は3カ月前の時点では2100台を超えていたが、2月初旬に約1870台まで減少。その後約1980台まで増加している。中古車の平均走行距離は延びており、3カ月前の約7.3万kmから現在は7.8万kmまで延びている。
こうして、3代目ジムニーの中古車相場を見てみると、フルモデルチェンジ(新型登場)によって一時的に高年式の中古車(先代モデル)が市場に多く出回ったものの、現在はいわゆる未使用車が中古車市場から減り、相場が適正価格になりつつあるといえる。しかし、今後は値落ちから横這いに変わるので、早めに買いに出るのがベターだ。
約2000台も流通している先代ジムニーの中古車だが、価格帯は10万~280万円で、180万円を超える中古車物件はインチアップされたカスタムカーとなっている。
走行距離わずか3kmという新車のようなものから、約30万kmという一般的なクルマでは考えられないような走行距離でも価格が付いており、この点でもジムニーの人気の高さが見て取れる。
そして流通している中古車のグレードだが、最も多いのが、モデルライフの後半に設定された特別仕様車の「ランドベンチャー」で約26%を占めている。次いで約17.5%でカタログモデルの上級グレードであるXG、そして標準グレードのXCが約13.8%で続いている。また、特別仕様車として設定されたワイルドウインドやクロスベンチャーも流通台数が多いので、候補として選んでみるのもいいだろう。
現行型のジムニーは多彩なカラーバリエーションとなっているが、先代ジムニーは白、紺、シルバーとバリエーションが少なかった。しかし、流通台数の多いランドベンチャーはアースカラーとも言えるグリーンメタリックの専用カラーを纏い、ジムニーの個性を際立たせている。
中古車で先代ジムニーを探すなら、このランドベンチャーがオススメだ。
フロントシート表皮に優れた防水性・透湿性をあわせもつセルクロスを採用し、季節を問わず快適に運転することができる。さらに専用のアルミホイールや専用スペアハウスハウジングなどを装着している。ランドベンチャーの中古車価格帯は20万~280万円で、新車並のコンディションのクルマも見つけることが可能だ。
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