【都会派から本格派まで勢揃い】激戦!! ミッド~ラージクラスSUV最強位決定戦

 ディーゼルの強みなどで実用性の高いCX-5をはじめ、アウトランダーPHEV、エクストレイルなど、タウン派から本格派まで豊富な選択肢が揃い人気急上昇中のSUV・ミッド~ラージクラスカテゴリー。

 そのなSUV・ミッド~ラージクラスカテゴリー販売台数トップの15台から、自動車評論家5名の配点によるランキングを作成!

 新規投入・フルモデルチェンジを果たしたCR-V、フォレスター、エクリプスクロスに加え、定番の人気モデル、ハリアー、エクストレイル、レクサスNXなど、オンロードユースがメインのライトSUVモデルも多数ラインナップ。

 一方で、ランクルプラド、ランクル200、レクサスLX、パジェロといった本格的なヘビーデューティクロスカントリーモデルも健在で、激戦が予想される。

 将来的には、昨日ついに正式発表となったトヨタ・RAV4も加わり、俄然大注目!! のこのカテゴリー。全15車エントリーのランキングの行方は!?

※コンパクトSUVのランキングはこちらから。

●販売台数TOP15
1位 ハリアー 3382台
2位 CX-5 3288台
3位 フォレスター 3184台
4位 エクストレイル 2681台
5位 CX-8 2218台
6位 ランドクルーザープラド 1930台
7位 NX 1034台
8位 CR-V 891台
9位 RX 888台
10位 アウトランダーPHEV 755台
11位 エクリプスクロス 615台
12位 ランドクルーザー200 320台
13位 アウトランダー 157台
14位 LX 111台
15位 パジェロ 52台
※2018年8月~2019年1月の半年間の月販台数の平均値で順位付け

※本稿は2019年3月のものです
文:鈴木直也、国沢光宏、渡辺陽一郎、片岡英明、岡本幸一郎/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年4月10日号


■販売台数では10位の三菱 アウトランダーPHEVが首位に!

 まずは総合ランキングを見て、個々のポイントについて各評価者に話を聞いてゆこう。

●1位 三菱 アウトランダーPHEV(価格帯:393万9840~509万0040円)

昨年の改良で電池容量を12.0kWhから13.8kWhに増大し、満充電でのEV航続距離が60.8kmから65kmに延長。さらに魅力が増したアウトランダーPHEV

 2モーターによるEV走行性能と4WD機能などが評価され1位に!

●2位 スバル フォレスター(価格帯:280万8000~309万9600円)

 上の結果表のとおり、まさに僅差で2位。実用性も高い

●3位 マツダ CX-5(価格帯:257万~355万8600円)

 総合バランスで3位に。ディーゼルのアドバンテージあり

●4位 マツダ CX-8(価格帯:289万4000~446万0400円)

 開発時から3列シート設計で作られた点など、評価は高い。

●5位 ホンダ CR-V(価格帯:323万0280~436万1040円)

 日本で復活登場。今年、販売面を伸ばせるかが注目だ。

■ハリアーって、エクリプスクロスやCR-Vよりも評価は低いですか?

(TEXT/片岡英明)

 思い起こしてほしい。プレミアムSUVブームの火つけ役となったのがハリアーだ。

 日本専用のSUVモデルで、プラットフォームはヴァンガードのものに手を加え、使用した。エンジンは2Lの4気筒DOHCとターボ、2.5Lエンジンにモーターのハイブリッド車だ。

 ハリアーはファッション性の高い、目を引くスタイリングがウリで、インテリアも上質ムードの仕立てとなっている。質感の演出は上手だ。

 キャビンも不満のない広さを確保し、後席でもゆったりと寛げる。ラゲッジルームも実用になる広さで、ゴルフバッグなども積みやすい。

 そんなハリアーは今も安定した売れゆきを見せている。エコカー減税のあるハイブリッド車は買った後の経済性もバツグンにいい。

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 見栄えはいいし、走りの実力もそれなりのレベルにある。快適なファミリーカーとして使うには魅力的なSUVといえるだろう。

 が、最新のエクリプスクロスやCR-Vと比べると基本性能は1ランク低く、走りの実力は物足りない。また、登場から6年が経ち、すでに旬を過ぎている。これから買う人には積極的にはお薦めしにくいので順位を下げた。

■CX-8、特に大きいモデルなのに全体でも4位、個人でも2位。その高評価の理由は?

(TEXT/岡本幸一郎)

全長4900mm、全幅 1840mm、全高 1730mm。取り回しの難しさからあまり上位にこなさそうな印象もあるマツダのCX-8

 僕は最強の実用車だと思っていますよ。見栄えがよくて、走りもよくて、便利に使える。これほど万能なクルマなどないじゃないですか。

 ボディサイズは日本で使うには大きい気もするけど、むしろこの大きさだからこそCX-8はよいのです。他車のようにベース車と同じ車体に3列シートを詰め込むと、どうしても狭くなる。

 ところがこうして作り分けたおかげで、長時間座っても苦痛でない空間が得られているわけです。これだけ広ければ、ミニバンから乗り換えても大丈夫でしょう。

 また、今のマツダ車はエンジンが魅力的である点も強みです。経済的で力強く走れ、ネガを払拭した評判のよいディーゼルはもちろん、新たにガソリンターボも加わったばかり。さらには4WD性能も侮れません。

 それは弟分のCX-5も同じですが、ただシートが1列増えただけでなく、3列シートを想定して開発されたぶん、リアまわりの剛性が高められていて走りがしっかりしているし、ロングホイールベース化のおかげで安定性が増したのもポイント高いです。

 むろんほかの車種もそれぞれ魅力があることは重々承知していますが、総合力の高さではCX-8がアタマひとつ抜き出ていると思っています。

■フォレスターが2位でCR-Vが3位、CX-5が4位の理由は!?

(TEXT/鈴木直也)

 我々、自動車ジャーナリストも、あらゆるクルマをまんべんなく試乗するのは不可能で、乗った時間/距離の多い少ないはどうしても避けられない。

 そんななか、ぼくがフォレスターを高く評価したのは、「乗れば乗るほど味が出てくる」キャラクターに魅力を感じたからだ。

 今シーズンはたまたま雪道などで長距離を走る機会に恵まれたせいもあるのだが、悪天候など条件の悪いシチュエーションでの長時間ドライブで、ジワジワといいクルマ感が伝わってくる。

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 率直にいうと、ぼくはフォレスターのデザインはいまいちアカ抜けないと思っているのだが、シンメトリカルAWDのもたらす安心や重厚な乗り心地など、クルマとしての実力が素晴らしい。そこを評価して、2位にポジショニングした。

 走りのテイストそのものはCR-Vのほうが洗練されていて、スムーズでトルキーなi-MMDのドライブ感覚が好ましいし、インテリアのデザインや質感で比べたらCX-5の圧勝だと思うが、フォレスターの雪道ドライブで感じた安心感と、快適性にすべてが上書きされちゃった感じですね。

■CR-Vの評価が11位とずいぶん低いようですが……?

(TEXT/国沢光宏)

 クルマというのは芸術品じゃない。いや、フェラーリやポルシェに代表される極めて趣味性の高いクルマについちゃ芸術品に近いため、どんな価格をつけたっていいと考えます。

 高ければ売れないだけ。何十年も“芸術品”を作ってきてるのだから、顧客との阿吽の呼吸で成り立っているワケです。実際、フェラーリの生産台数と仕上げの美しさを考えたら高くない?

 一方、CR-Vが属すマーケットは価格も性能やデザインと同じくらい大切な構成要素だと考えます。同じクラスの競合車より高い値付けをするなら、それなりの内容を伴っていないとダメ。

鈴木氏、渡辺氏、岡本氏は高評価、国沢氏、片岡氏は厳し目の点数と、評価が割れた形のCR-V

 CR-Vの価格設定、ワンランク上のハリアーと同等である。本来アメリカなどではCX-5やエクストレイルのライバル車であり、納得できないほど高い。

 それだけでも“アウツ”なのに、アメリカで販売している同型車より高い値付けをしていたりする。こらもう売れない作品に高い価格を付ける芸術家と同じ。まったく空気を読んでいない。そもそもユーザーにとって不誠実だと考えます。

 というクルマに、ホンダの顔色を伺い高い点数をつけられるほど人間丸くないです。ちなみに50万円安い価格ならイッキに評価上がるだろう。

■エクストレイルが2位で、ほかの人と比べてずいぶんと高評価ですが、決め手は?

(TEXT/渡辺陽一郎)

 エクストレイルを2位にした理由は、SUVを購入するユーザーの好みを汲み取って商品化しているから。SUVの売れ筋は、使い勝手がよくて価格の割安な前輪駆動ベースのシティ派モデルだが、ユーザーの好みは、ランドクルーザーのようなオフロードSUVに向いている。

 この現実と理想を、エクストレイルは巧みに結び付けた。前輪駆動ベースのSUVだが、外観は野性的で、最低地上高も205mmだから、ロックモードを備えた4WDと相まって悪路走破力が相応に高い。シートや荷室には防水処理が施され、屋外での使い勝手も優れている。

登場から数年経つが現在も売れ筋のエクストレイル。使い勝手など全方位で評価される

 こういったメカニズムと内装は、SUVの気分を盛り上げ、大げさにいえばユーザーの冒険心を呼び覚ます。悪路を走る機会が乏しくても、それだけの実力を備えることが、ユーザーのプライドを高める、と思う。SUVには、ほかのカテゴリーとは違う仕立てが必要で、エクストレイルにはそれが備わっている。

 加えて車内も広く、後席の頭上と足元の空間はLサイズSUV並みだ。荷室に3列目シートを備えることも可能で、この価格は7万円少々に抑えた。機能や装備に対して価格が割安なことも特徴だ。


【番外コラム】 ラージSUVの3列目シート 実際のところ使えるの?

(TEXT/渡辺陽一郎)

 SUVの3列目シートは、荷室に装着された補助席と思えばいい。ミニバンは床を平らに仕上げるなど、基本設計の段階から3列目の居住性に配慮するが、SUVでは優先順位が低い。

 床は平らにならず3列目の部分は燃料タンクのために持ち上がる。よって1~2列目に比べて、床と座面の間隔が大幅に不足する。大人が座ると膝が大きく持ち上がって窮屈だ。

こちらはCX-8の室内

 3列目が最も快適な国産SUVはCX-8。それでも大人が多人数で乗車するには、2列目を前寄りにスライドさせて3列目の足元空間を確保しないといけない。

 ……総じて、SUVの3列目で大人が移動できるのは45分程度まで。ただし1年に数回、短距離を多人数で移動する使い方なら、3列シートSUVは合理的だろう。

*   *   *

 日本でも充実してきた大型SUVたち。冒頭でもお伝えしたがここにRAV4が入ってくるとランキングは果たしてどうなるのか? また続報をお届けできればと思う。

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