2019年4月10日、トヨタの新型RAV4が正式発表、2016年以来3年ぶりの“日本再上陸”を果たした。注目の価格は260万8200~381万7800円で、日本導入モデルは2Lのガソリンエンジン車と2.5Lハイブリッドの2種類となる。
新型RAV4は、1994年発売の初代から数えて通算4代目のモデル。2代目が2016年に生産終了となり、海外では3代目モデルが販売されていたものの、SUV人気が高まるなかで日本でもこの4代目が改めて導入される形となった。
トヨタのSUVといえば現在、C-HRやハリアーが売れ筋だが、新型RAV4はサイズや立ち位置が近いハリアーと敢えて差別化する方向性に舵を切った。果たしてRAV4は売れるのか?
文:御堀直嗣/写真:TOYOTA
SUV人気のきっかけ作ったRAV4
トヨタのSUV(スポーツ多目的車)であるRAV4が、2016年の国内販売中止から空白期間を経て、再登場することになった。
初代のRAV4は、1994年に誕生。1990年代初頭、バブル期の日本ではいすゞ ビッグホーンや三菱 パジェロが爆発的人気を呼び、レクレーショナルヴィークル(RV)としてのクロカン四駆(クロスカントリー4輪駆動車の略)が一世を風靡した。
フレーム構造を持ち、悪路走破性に富みながら、日常の用途にも使える快適性を備えたそれら車種を持たなかったホンダは、経営危機に陥るほどであった。
トヨタには、ランドクルーザーや、ランドクルーザープラドがあり、ことに少し小型のプラドはビッグホーンやパジェロに対抗し得る車種であった。それ以上に身近なRV風の車種として、RAV4は生まれた。その車名は、「リクリエイショナル・アクティブ・ヴィークル・4ホールドライブ」の頭文字である。
ホンダも、1994年のオデッセイを皮切りに、クリエイティブ・ムーバーシリーズの一環として、ステーションワゴンのオルティアの部品を活用したCR-Vを1995年に発売し、以後、RAV4と米国で競合車種として成長していくのである。ちなみに、CR-Vの車名は、「コンフォータブル・ランナバウト・ヴィークル」の頭文字をとっている。
RAV4もCR-Vも、乗用車の部品を活用しながら生まれた車であり、1990年代前半を牽引したクロカン四駆としてのビッグホーンやパジェロと異なり、今日でいうSUVに近い位置づけといえる。
クロカン四駆時代を経て今日まで続くSUV人気は、RAV4やCR-Vが生み出したといえなくもない。
その特徴は、4輪駆動とセダンやステーションワゴンに比べ高い最低地上高を活かし、未舗装路を走行する際の気遣いを軽減するが、悪路走破までの性能はクロカン四駆ほどではない生活四駆(雨天や降雪時などにより安心して走れる)的な車種である。
同時に、乗用車としての快適性や運転のしやすさを備える。クロカン四駆の重々しい走りと異なり、軽快な日常性を備えた4輪駆動車である。
そうした需要は、郊外に出ると未舗装が増える米国で顕著となり、人気に応えるため次第に車体寸法が大きくなって両車とも3代目になるとかなりの大きさになっていた。国内市場においてそれでは大きすぎて扱いにくいといった反発を生み、販売台数の減少を受けどちらも4代目の2016年に国内販売を止めた。
近年、SUV人気の高まりで輸入車のやや大き目なSUVが国内でも売れ出したことを受け、昨18年にCR-Vが国内販売を再開し、今年、RAV4もフルモデルチェンジの上で国内市場へ再び投入されることになったのである。
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