■ハリアーって、エクリプスクロスやCR-Vよりも評価は低いですか?
(TEXT/片岡英明)
思い起こしてほしい。プレミアムSUVブームの火つけ役となったのがハリアーだ。
日本専用のSUVモデルで、プラットフォームはヴァンガードのものに手を加え、使用した。エンジンは2Lの4気筒DOHCとターボ、2.5Lエンジンにモーターのハイブリッド車だ。
ハリアーはファッション性の高い、目を引くスタイリングがウリで、インテリアも上質ムードの仕立てとなっている。質感の演出は上手だ。
キャビンも不満のない広さを確保し、後席でもゆったりと寛げる。ラゲッジルームも実用になる広さで、ゴルフバッグなども積みやすい。
そんなハリアーは今も安定した売れゆきを見せている。エコカー減税のあるハイブリッド車は買った後の経済性もバツグンにいい。
見栄えはいいし、走りの実力もそれなりのレベルにある。快適なファミリーカーとして使うには魅力的なSUVといえるだろう。
が、最新のエクリプスクロスやCR-Vと比べると基本性能は1ランク低く、走りの実力は物足りない。また、登場から6年が経ち、すでに旬を過ぎている。これから買う人には積極的にはお薦めしにくいので順位を下げた。
■CX-8、特に大きいモデルなのに全体でも4位、個人でも2位。その高評価の理由は?
(TEXT/岡本幸一郎)
僕は最強の実用車だと思っていますよ。見栄えがよくて、走りもよくて、便利に使える。これほど万能なクルマなどないじゃないですか。
ボディサイズは日本で使うには大きい気もするけど、むしろこの大きさだからこそCX-8はよいのです。他車のようにベース車と同じ車体に3列シートを詰め込むと、どうしても狭くなる。
ところがこうして作り分けたおかげで、長時間座っても苦痛でない空間が得られているわけです。これだけ広ければ、ミニバンから乗り換えても大丈夫でしょう。
また、今のマツダ車はエンジンが魅力的である点も強みです。経済的で力強く走れ、ネガを払拭した評判のよいディーゼルはもちろん、新たにガソリンターボも加わったばかり。さらには4WD性能も侮れません。
それは弟分のCX-5も同じですが、ただシートが1列増えただけでなく、3列シートを想定して開発されたぶん、リアまわりの剛性が高められていて走りがしっかりしているし、ロングホイールベース化のおかげで安定性が増したのもポイント高いです。
むろんほかの車種もそれぞれ魅力があることは重々承知していますが、総合力の高さではCX-8がアタマひとつ抜き出ていると思っています。
■フォレスターが2位でCR-Vが3位、CX-5が4位の理由は!?
(TEXT/鈴木直也)
我々、自動車ジャーナリストも、あらゆるクルマをまんべんなく試乗するのは不可能で、乗った時間/距離の多い少ないはどうしても避けられない。
そんななか、ぼくがフォレスターを高く評価したのは、「乗れば乗るほど味が出てくる」キャラクターに魅力を感じたからだ。
今シーズンはたまたま雪道などで長距離を走る機会に恵まれたせいもあるのだが、悪天候など条件の悪いシチュエーションでの長時間ドライブで、ジワジワといいクルマ感が伝わってくる。
率直にいうと、ぼくはフォレスターのデザインはいまいちアカ抜けないと思っているのだが、シンメトリカルAWDのもたらす安心や重厚な乗り心地など、クルマとしての実力が素晴らしい。そこを評価して、2位にポジショニングした。
走りのテイストそのものはCR-Vのほうが洗練されていて、スムーズでトルキーなi-MMDのドライブ感覚が好ましいし、インテリアのデザインや質感で比べたらCX-5の圧勝だと思うが、フォレスターの雪道ドライブで感じた安心感と、快適性にすべてが上書きされちゃった感じですね。
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