新型911登場で世の中大騒ぎ!でもそんなに大事件なのか?

新型911登場で世の中大騒ぎ!でもそんなに大事件なのか?

 すでに新型911を目にしたことが多いと思いますが、かなり大きな一大ニュースとして報道されています。

 タイプ992こと、新型ポルシェ911が8年ぶりにフルモデルチェンジされ、2019年1月30日から日本でも受注が開始されました。

 ここでふと、新型ポルシェ911の登場が、世の中を騒がせるほどのニュースなのか? と思った人もいるのではないでしょうか?

 そこで、新型911はどれほどの大物なのか? 試乗したモータージャーナリスト渡辺敏史氏に解説してもらうとともに、ポルシェのことをあまり知らない人のために、ポルシェ911に対する素朴なギモンを大公開!

文/渡辺敏史
写真/ポルシェジャパン
初出/ベストカー2019年4月10日号


■新型911試乗記/走り始めてすぐにわかる進化と散りばめられた美点

REPORT/渡辺敏史

 8代目992型の姿、やはり心震わせる何かがある。992型はポルシェデザインのDNAを鮮明に表現。"着実に進化を遂げているが、躍動するハートを持つピュアなスポーツカーという当初の姿を保っている"という。どんなモデルなのか!? まずは試乗記といこう。 
8代目992型の姿、やはり心震わせる何かがある。992型はポルシェデザインのDNAを鮮明に表現。"着実に進化を遂げているが、躍動するハートを持つピュアなスポーツカーという当初の姿を保っている"という。どんなモデルなのか!? まずは試乗記といこう。 

 初代の発表が1963年と、実に55年以上の歴史をもつポルシェ911。その8代目となるモデルがこのタイプ992だ。

 前型にあたる991後期に比べると一見コスメティックには一瞥できる変更はあれど、モノコックシャシー自体は継承されているように見える。が、その中身は以前とは大きく異なるものだ。

 992型ではまず前型で四駆系モデルに与えられていたワイドボディを標準化、さらに前側のトレッドを46mm拡大しており、外見上はターボモデルのようなグラマラスな佇まいとなった。

 モノコックボディは材料置換がさらに推し進められアルミ材の使用率は70%に達し、重量軽減と高剛性化の両取りを実現している。

テールライトが印象深いリアスタイル。ボディサイズは全幅4519×全幅1852×全高1300mm。 カレラS、カレラ4Sともに3Lフラット6ターボを搭載、従来モデルを30ps上回る450psを発生

 また、エンジンのマウント方法も見直され、車体との剛結化が図られた。ポルシェはこのプラットフォームをVWグループ的表記に倣ってかMMBと呼び始めており、かねてから噂されていたアウディ&ランボルギーニのミドシップモデルとのアーキテクチャー共有も、ますます現実味を帯びてきたようだ。

 エンジンは前型からの3Lフラット6直噴ツインターボを受け継ぐが、ピエゾインジェクターの採用やタービン大径化、冷却系統の高効率化など細かく手が加えられており、カレラS/4Sで450ps&54.0㎏mを発揮。

 組み合わされるPDKは8速化され、7速以上をオーバードライブとする。このミッションはハイブリッド化にも対応しており、電動化への準備も着々と進んでいるようだ。

 一方で欧州市場はWLTPモードへの適合で市販車の認証関連係が大混雑しており、各社の新型車の発表スケジュールにも影響が及んでいる模様。

 それもあってか新型911に関してもまずはハイパフォーマンスモデルとなるカレラS系の発表がなされたのみで、ベーシックなカレラの仕様詳細は未だ不明というイレギュラーな事態となっている。

 車両の各種設定をセンターモニターのタッチパネルに集約し、伝統の五眼メーターも物理針をもつタコメーターを中央に残しつつ、左右は液晶化することで詳細情報を文字や図形で表すなど、992型では内装も大胆に手が加えられた。が、全体造形は空冷時代のイメージを受け継ぐなどして連続性を保っている。

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