最近ヘッドライトが眩しいのはヘッドライトの進化が要因?!

■後付けキットでヘッドライトを明るくする際の注意点

 LEDヘッドライト化は、ハロゲンバルブと交換するだけなので、HIDと比べても簡単でDIY初心者でも作業できる。

 しかし、製品によってサイズが異なったり、輸入車は同じバルブ形状でもソケットの規格が違うものもある。

 自分のクルマに装着可能なものであるか、バルブの規格だけでなく装着方法やサイズ、ソケット形状なども調べて購入することが大事だ。

 さらにヘッドライトが明るくなることが、メリットばかりとは限らないことにも注意が必要だ。まずは周囲のドライバーへの配慮。

 配光特性をそのままに光量だけアップすると、ロービームでも路面を照らす光だけでなく、周囲に散る光も強くなるので、周囲のドライバーは眩しさを感じることになるのである。

 そんなの自分には関係ない、自分の交通事故さえ防げればいいと思う人もいるかもしれないが、今はドライブレコーダーの装着率が高まっている状況で、万が一自分のヘッドライトが眩しいことが事故の一因ということがドライブレコーダーの映像から証明されれば、全く接触などしていなくても、交通事故の当事者として責任を追及される可能性も出てくる。

 また配光の輪郭がクッキリとしている最近のクルマでは、街灯など周囲の灯りが少ない環境では自車のヘッドライトで照らしている範囲を超えると途端に暗くなるため、周囲の状況が余計に見えにくくなる危険性もある。

 自転車などが、小さな灯りで思わぬ方向から接近してくると気付かない可能性が高まるのだ。

 ハロゲンバルブからHID、LEDに交換すると消費電力が下がるため、車種によって(特に輸入車)はバルブ切れ警告灯が点灯してしまうことがある。

 これを解消させるにはキャンセラーの装着か、加工が必要になるので、良く調べてから購入し、作業に臨もう。

■ヘッドライトは今後どうなる?

アウディA8に用意されたレーザーライト。一般的なハイビームの2倍の照射距離を持つレーザーライは高度な配光制御を行うLEDヘッドランプと組み合わせることでより広い視野を確保

 最後にヘッドライトの未来について語らせてもらおう。HID、LEDへと進化したヘッドライトは、より効率の高い灯りを求めて開発が続けられている。

 その一つがレーザー光を使ったヘッドライトで、これはLEDで作り出したレーザー光を利用している。

 レーザー光はプロジェクター以上に光の広がりが少なく、500m先まで照らすことが可能だ。

 こういった先進技術を導入することに積極的なアウディはすでに2014年にR8の限定車に採用し、現行モデルのA8にも搭載されている。

 非常に強い光なので、高速時のハイビーム使用時のみ動作するなど、使い道は限定される。

 2020年4月から周囲の明るさを検知してヘッドライトが自動で点灯するオートヘッドライト(AHL)が義務化されるが、今後はAHLも普及して、より夜間の走行を安全なものにしてくれるようになっていくだろう。

2014年に登場した世界初のレーザーライト装着車、アウディR8LXM
2014年に登場した世界初のレーザーライト装着車、アウディR8LXM
 アウディR8LXMに搭載されたレーザーライトの構造図。LEDヘッドランプが届かない範囲をレーザーライトが補完する。レーザーライトの作動条件は街灯が少ない欧州の郊外やアウトバーンを想定して開発されたため限定的だという。レーザーモジュールは左右のヘッドライトユニットに1個ずつ搭載されていて、レーザーヘッドライトが点灯するのは、オートライトとオートハイビームをオンにした状態かつ時速70km以上の走行中、正面に車両がいないことをセンサーが検知した場合。前方車両や対向車両を検知した場合は自動的にロービームに切り替わる。歩行者がレーザー光源を直視するのを避けるため、低速域ではLEDヘッドライトのみが点灯する
アウディR8LXMに搭載されたレーザーライトの構造図。LEDヘッドランプが届かない範囲をレーザーライトが補完する。レーザーライトの作動条件は街灯が少ない欧州の郊外やアウトバーンを想定して開発されたため限定的だという。レーザーモジュールは左右のヘッドライトユニットに1個ずつ搭載されていて、レーザーヘッドライトが点灯するのは、オートライトとオートハイビームをオンにした状態かつ時速70km以上の走行中、正面に車両がいないことをセンサーが検知した場合。前方車両や対向車両を検知した場合は自動的にロービームに切り替わる。歩行者がレーザー光源を直視するのを避けるため、低速域ではLEDヘッドライトのみが点灯する

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