最近ヘッドライトが眩しいのはヘッドライトの進化が要因?!

■LEDの出現でさらに進化!

レクサスLS600h搭載のLEDヘッドランプは、従来のヘッドランプとは異なり、3連小型プロジェクター(右上)と小型反射鏡(右下)から得られる光を合成して配光パターンを作り出し、 ドライバーの視認性向上を図るとともに、これまでにない斬新で美しいランプデザインと している。一番左はハイビーム

 2007年になると、またもヘッドライトは大きな進化を果たす。LEDヘッドランプの登場である。LEDは省電力で明るいのがメリットだが、それまではヘッドライトに使えるほどの光量は発揮できなかった。

 世界初のLEDヘッドライトを採用したレクサスLSは、その当時まだ光量はHIDには負けていた。

 しかし開発が進み、よりハイパワーなLEDチップが開発されたことによって今では省電力でHID並みの明るさとハロゲン以上の反応性を実現している。

 LEDヘッドライトの登場で、ライト本体もまた進化できるようになった。光源を細かく分けることによって配光を細分化することが可能になったのだ。

 これにより、マルチリフレクターよりもキラキラと輝くゴージャスなヘッドライトユニットが作れるようになっただけでなく、ALH(アダプティブLEDヘッドライト)、スマートヘッドライトと呼ばれる配光が変幻自在に制御できるシステムが開発された。

 これはカメラにより前方にクルマなどがいると認識すると、その方向の配光だけをカットして、ハイビームの幅広い照射範囲と対向車ドライバーへの幻惑防止を両立してくれるもの。

 単にハイビーム/ロービームの切り替えを自動で行なってくれるオートハイビーム、ハイビームアシストと呼ばれる装備より、ずっと安全で快適だ。

 クルマのヘッドライトの進化の歴史としては以上が主だったものだ。ノーマルのまま使用するなら、車種やグレードを選べば他に選択肢はないが、光源自体は後付けキットを利用することでヘッドライトの明るさを高めることができる。ハロゲンバルブのヘッドライトをHID化したり、LED化することができるのだ。

 HIDもLEDも中国で製造しているメーカーが多く、価格競争もあってかなり手頃な金額で買えるようになった。

 1台分で5000円を切るような、ハロゲンバルブと変わらない価格から手に入れることができる。しかしHIDは高電圧を利用するし、LEDは精密電子機器なので、品質には十分注意して選びたい。

 粗悪品になると最初は明るくても、半年、1年ほどで壊れてしまうものも多い。HIDの場合はハンダや部品の品質以外に防水性なども大きく関わってくる。だからバラストの装着位置などの工夫も必要だ。LEDの場合は熱による劣化が大きい。

 LEDはそもそも発熱が少ない光源なのだが、ハイパワー化したことで発熱量も大きくなり、チップの冷却が問題になってきている。

 ちなみに純正のLEDヘッドライトはチップを載せる基盤の冷却性を高めるなど、10年10万kmに耐えるほどの信頼性を確保している(それでも実際にはもっと早く壊れる個体もある)。

アルファードは2眼式と3眼式のLEDヘッドランプを用意。写真は3眼式。 高輝度で点灯速度が速く、しかも消費電力の少ないLEDを採用。先行車・対向車への眩惑防止に配慮し、車両姿勢の変化にかかわらず照射軸を一定に保つオートレベリング機能付きだ。さらに、一部グレードのLEDクリアランスランプにはイルミネーション(デイライト)機能も採用。LEDヘッドランプ下部をライン発光させることで先進感を演出
クラウンの三眼式LEDヘッドライト。3つあるうち、一番左がハイビーム、右の2灯がロービーム、カギのように見えるのがデイライト、黄色い部分は流れるウインカー(RS-Bを除くRS系)。ちなみにG系が三眼式のシーケンシャルなし、S系/B系が単眼式ヘッドライトのシーケンシャルなし

次ページは : ■後付けキットでヘッドライトを明るくする際の注意点

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