【改正道交法施行の罪深き余波】クルマにとって自転車は敵なのか!?


 クルマを運転していて突然自転車が飛び出してきてヒヤリとした経験は誰もが一度や二度はあるはず。これは逆もしかり。

 お互いが安全かつ安心して通行できるのがベストだが、現状ではそれとは程遠い。

 本企画では、自動車、自転車それぞれの視点で、現在の交通事情について考察していく。

 本企画は、自動車を擁護して自転車を糾弾しようという企画ではなく、公共の道路という場において、お互いが被害者にも加害者にもならないためには各々がどうすべきかを考えていきたい。

文:ベストカーWeb編集部/写真:SUBARU、ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部


自転車は車道を走りたくて走っているわけではない

 自転車は手軽な乗り物として老若男女から人気がある。自転車の泣き所は上り坂だが、電動アシスト自転車の登場により上り坂も楽々と移動することができる。

 自転車は道交法では軽車両に分類されるため、交通法規と無関係というわけでない。実際に2015年6月1日から施行された改正道交法で、自転車にとって非常に厳しい取り決めが行われ、それにより基本的に通行できるのは車道ということになった。

■『自動車通行可』、『普通自転車通行指定部分』の表示がある場合
■運転者が13歳未満または70歳以上、身体に障害を負っている場合
■安全のためにやむを得ない場合

 上記3ケースでは、例外的に歩道の走行が許されている。

自転車が走行を義務付けられている路肩部分は段差があったり路面が荒れていたりして非常に走りにくい。やむを得ず急に進路を変更することもある

 問題なのは改正道交法によって、自転車に対する何の整備もなくいきなり施行されたことで、クルマから見ると危なっかしくて邪魔に映るかもしれないが、自転車サイドからいえば、好きで危険な車道を走っているわけでないのだ。

 走れるものなら歩道を走っていたい、というのが本音だろう。

 自転車とクルマの事故件数は、そのほかの交通事故同様に件数は減っているが、自転車事故における自動車との事故割合は横ばい状態を続けている。これは自転車が車道の走行を強制されていることと無関係ではない。

 表1は2017年2月に警察庁交通局が発表したデータで、それによれば自転車事故の84%がクルマとのものとなっていて、歩道走行による影響と考えられる。

 自転車は車道を走りなさい、と国が取り決めたものの自転車路側帯がしっかりと整備されている路線などごくわずか。ほとんどは、道路の路肩部分に自転車マークのペイントをしているに過ぎない。

 これが自転車と自動車の共存を難しくしている最大の要因だ。歩道は読んで字のごとく歩行者のための道ゆえ、法律上で軽車両に分類される自転車が車道を走るのは当然ながら、強制が先で自動車道などの整備が後手に回っているのは国の怠慢といわれても仕方ない。

(表1)自転車の事故相手はほとんどがクルマとなっているのは、改正道交法により車道の走行が義務付けられたことと大きく関係していて今後増えてもおかしくない

キープレフトの概念を捨てよ

 と、国の怠慢ぶりに文句を言ったところですぐに変わるわけではない。劣悪な道路環境下で自転車とクルマがいかに共存していくかが重要だ。

 前述のとおり、自転車は道路の路肩部分を走行するようになっている。車線の右端を走行すると取り締まりの対象となる。

 しかし、自転車に乗っている人はわかると思うが、路肩部分は路面が非常に荒れている。自転車は後ろから迫りくるクルマ、バイクに注意を払うと同時に、路面にも気を使わなくてはいけない。

 クルマはキープレフトが原則である、と教習所などでも教えられてきたが、キープレフトにすると自転車の走行スペースがなくなる。

 一般道でキープレフトにするのは過去の話といえる。なかには自転車に幅寄せしたり、左寄せで停車したりするドライバーを見かけるがこれはマナー違反だ。

 自転車にチョロチョロされてイライラするのはわかるが、危険な行為と認識すべき。

年配ドライバーでは常識となっている自動車教習所で教えられたキープレフトは、自転車との安全な共存のためにやめて、自転車にスペースを空けるべき

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