プレミアは付く? スープラの売り方はトヨタに珍しい失敗!?
読者諸兄はこの販売方法をどのように受け取られるだろうか。利用規約は、契約の考え方に基づけばまさにその通りで、車を最終的に購入する時には同様の内容を承諾する。
ただし、これはあくまでもスープラ「RZ」のマットストームグレーメタリック塗装車を購入する一番最初の段階だ。この時から商談を行う権利だとか、利用規約とか、もっと楽しくリラックスできないものだろうか。
少なくとも抽選で商談を行う権利を与える方法はダメだ。
スープラを何かのキャンペーンにより無料進呈するなら抽選もわかるが、相手はRZ(690万円)+マットストームグレーメタリックの特別塗装色(32万円)=722万円を負担して購入するお客様だ。抽選で選別するのは失礼すぎる。
なお、生産規模が限られる直接の理由は、スープラがオーストリアのマグナ・シュタイヤー社のグラーツ工場で製造されるためだ。
開発者は「製造精度の高い工場で、いろいろな要求に応じてくれる。そのためにBMW Z4を含めて、さまざまなメーカーから委託を受けているが、生産規模が限られる」という。
しかし、これはメーカー側のいわば裏話で、ユーザーには一切関係のないことだ。
トヨタ車の良さは、日本のどの地域に住んでいるユーザーでも、優れた商品とサービスを適正な価格で誰でも公平に得られることにある。このトヨタ車の魅力が、スープラからは欠落している。
ましてプレミア価格で取り引きされることにでもなれば(そこまでの付加価値はないと思うが)、自動車市場の安定まで乱してしまう。
納期が伸びたり、プレミア価格が付くのを有り難がる傾向も見られるが、メーカーとしては恥ずべきことだ。生産が未熟な結果、そうなるに過ぎないからだ。
スープラは各グレードにそれぞれ違った個性があり、優れたスポーツカーだが、売り方については失敗している。トヨタとしては珍しいことだ。
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