AEBS装着義務化によって何がどう変わる?
さて、話を本題に戻そう。今回、AEBSの性能基準が明確に定められた。それによれば、40km/hで走行中の場合、前方で停止している車両を検知し、自動的に急制動をかけて衝突せずに停止できること。
60km/hで走行中の場合は20km/hで走行している前走車に追い付いた時に衝突せずに停止できること、となっている。
従来の国内基準は50km/hで走行時に停止車両に衝突する際、20km/h以下まで速度が下がっていることだったのに対し、新基準はぶつからずに停止することを求める厳しいものだ。
もちろんAEBSが緊急制動を作動させる0.8秒前(ドライバーの反応時間を考慮したもの)に警告することはこれまでの国内基準同様定められている。
さらに歩行者保護に対する性能も明確化された。新基準では30km/hで走行中に5km/hで横断する歩行者を検知し、衝突しないで止まることが要求されることになる。
こうしてAEBSの性能が基準化されたことで、確実に機能は充実、精度は高まり、全体として価格は安くなっていくことになるだろう。
国土交通省は2019年内を目途に、新車を対象としたAEBSの義務付けについて結論を得る方針だ。
ということはおそらく2020年度中には標準装備が義務化され、その後販売される新型車は、この新基準に対応していくことになる。
現時点でも販売されているクルマでAEBSの作動速度域が30km/h以下というもの、歩行者は認識できないものは装着義務化により、仕様変更することになるだろう。もちろん生産過程車に関しては2年程度の導入猶予期間が設けられるハズだ。
AEBSは、クルマの安全性を高めてくれる装備であるのは間違いないが、100%衝突を回避してくれる装備ではない。
JNCAPの実験結果を見ても分かる通り、止まり切れずに衝突してしまうケースもあるし、さまざまな悪条件が重なれば作動しないこともあり得る。
したがって衝突安全性の高さなど、トータルで安全性を考慮したクルマ選びをすることが大事なことなのだ。
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