【10年10万km走ったら足回り交換??】新車のような乗り心地に蘇させる方法とは???

新車時の乗り味を維持できるのは5万~7万km程度まで

黒いゴムの部分がサスペンションアームのブッシュ。ブッシュ類を交換することで見違えるほど乗り心地がよくなる
黒いゴムの部分がサスペンションアームのブッシュ。ブッシュ類を交換することで見違えるほど乗り心地がよくなる

 新車の引き締まった感触が好きな人もいるが、正確には新車から1万km走行した程度、部品同士のすり合わせなどフリクションが抜けてより動きがしなやかになった状態が、クルマとしてはベストな状態と感じる人も多い。

 それでも、そこからは確実に劣化していく。昔は国産車なら3万kmを超えると、新車とは雲泥の違いのヒドいヤレ方をみせるクルマもあった(特にコンパクトカーの足回りや駆動系)。

 しかし、最近のクルマは、低燃費と衝突安全性のための軽量化と、ボディの高剛性化、部品の工作精度向上によりフリクションロスが軽減しているため、摩耗による劣化が少ないから、5万km~7万kmまではいい感じの状態を維持できている個体も多いのが一般的になってきた。それでも10万km前後になれば、アチコチがヤレてくるのは避けられない。

 毎日通勤で使っているだけのドライバーなら、少しずつ劣化していく車体の状態には気付かないだろう。

 しかし10万kmも走行すれば、ダンパーは抜け、ブッシュなどのゴム類も劣化が相当進んでいるハズだ。このあたりをリフレッシュしてやると、かなり走りがシャキッとスムーズになり、新車の乗り味にかなり近づくハズだ。

足回りをリフレッシュするための費用は?

 乗り心地を復活させたい場合、サスペンションのリフレッシュ、ダンパー(ショックアブソーバーともいう)ばかりに意識が集まりがちだが、アッパーマウントやサスペンションの各種ブッシュ、ロアアームブッシュといったゴム類を交換するのもおススメだ。

 新車時の引き締まった、しなやかな感覚が、サスペンションを交換しても、この感じが元に戻らないのはゴム製品のブッシュ類が痛んでいるためだ。

 足回りのアーム類の付け根はゴムマウントでできていて(特殊な車両を除く)、このゴムの部分が硬くなったりひび割れたり、動かなかったり、動きすぎたりして調子が悪くなるので、ブッシュを交換するとこれが一気に蘇るというわけだ。人間でいうと関節をイメージしてもらえばわかりやすいかもしれない。

 費用の参考までに2代目ヴィッツの場合を紹介すると、アッパーマウントは4000円前後、純正ダンパーはフロント1本1万8000円前後、リアは1本5000円前後といったところ。ディーラーで交換してもらう場合は工賃を含めて12万~15万円くらいかかる。

 ブッシュ類は数が多く、車種によって変わってくるため、一概には言えないが(NAロードスターは22個と多いことで有名)、フルブッシュ交換となると10万~20万円(工賃のほうが高い)くらいはかかると見ておいたほうがいいだろう。ディーラーや足回り専門ショップに一度相談してみるとよい。

 ロアアームのブッシュ交換も同時にやっておくことで工賃を節約できる。車種にもよるが国産車のロアアームのフロント、リアの新品部品をディーラーで購入すると工賃込みで1万5000円~。

ロアアームはゴムのブッシュだけを交換することができず、アームごと交換になる
ロアアームはゴムのブッシュだけを交換することができず、アームごと交換になる

 ちなみにロアアームブッシュはサスペンションとロアアームをつなぐ部分に取り付けられており、乗り心地やハンドリングの調整をしていて、ゴム特有のたわみを使って乗り心地をよくしたり、クイックなハンドリングを実現したりしている。

 ただ、ロアアームブッシュの問題点は、ブッシュのみでの交換ができない点。基本的にロアアーム全体での交換となるのだ。

 より壊れやすいのは重いエンジンが載っているフロント側。道路の縁石への乗り上げなどの事故での損傷が多いのもフロント側。フロントロアアームにはリアよりも、格段に大きな負荷がかかっているのだ。

 費用を抑えたいなら街の整備工場やカー用品店、タイヤ専門店を利用するのも賢い手である。

 また純正部品にこだわらないのであれば、純正のダンパーを製造しているKYBのアフターマーケット用ダンパーを選択するという手もある。

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