濃すぎる個性が災いしたキューブキュービック
■なぜ絶版に?
2003年当時、今では考えられないほどに、キューブは爆発的に売れていた。日本中のどこを走っていても、キューブを見ない日はなかったそうだ。
キューブキュービックのベースとなったキューブは、2002年にモデルチェンジされた2世代目。
キューブキュービックは、キューブに対してホイールベースを170mm延長し、そのスペースに緊急時用の3列シートを備えた、7人乗りだった。いざというときに7人乗せられるという安心感が、当時のユーザーに大ウケした。
ただし、3列目はあくまで折り畳んだ状態が前提で、2列目を前に出さないとレッグスペースはほぼない程のスペースだった。
子供を駅まで迎えにいったら、近所の友達もいたので、ついでに家のそばまで送っていく程度の、ほんの20分程度が限界だったそう。しかし、デザインのよさに加え、キューブよりもちょっとだけ荷室に余裕が持てたことで、優秀な存在となった。
その後、2008年に3代目キューブが登場、ホイールベースを2530mmに延長し、前型キューブ(2430mm)とキュービック(2600mm)のほぼ中間まで増やしたことで荷室の広さを確保する形となり、キューブキュービックは1代のみで廃止となった。
■復活の可能性は?
キューブキュービックとしての復活はまずないだろう。e-POWER化を幾度となく期待されていたが、残念ながらその道も絶たれた。
後継車はノートやデイズなのだろうが、キューブは、あの日産にしては珍しくデザインのアイデンティティが確立されていたモデルだった。モデル廃止が非常に惜しい一台だ。
キューブの消滅は、個人的には、今年一番悲しいニュースかもしれない。
日産は、自動運転技術「プロパイロット」や、リーフやe-POWERによる電動化技術など「技術のニッサン」に、ブランド回復を託しているように感じるが、日産が売っているのはクルマだということを、忘れないでほしい。
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