マイナーチェンジでこんなことが行われている
マイナーチェンジに限ったことではありませんが、メーカーは常々、部品の原価低減を日々狙っています。マイナーチェンジでは、この原価低減を目的に部品が少しずつ変更されています。
例えば、これまで異なるエンジンを使っていた2車種に、新たに両車で共用する新型エンジンが開発され、これまでのエンジンから、取って代わることになったとします。
その場合、これまで2車種がバラバラに使っていたエンジン本体、エンジンマウント、排気系、補器類といった部品が、1種類になります。すると、ひとつの部品をたくさん使うことになり、結果原価低減となります。
なぜ原価低減に出来るのか?
なぜなら、設備の中で最も高いのが金型であり、同じ部品を沢山作るほど、部品一つ当たりの単価を下げることができるからです。
そのため、マイナーチェンジでその新型エンジンを使う車種を、2台、3台と増やしていけば、そのたびに部品費が下がるため、利益率を上げることができます。結果、自動車メーカーは儲かるという仕組みになっているのです。
また、部品の構造や素材を見直して、コストを下げる検討もしています。例えば、アルミで出来ている構造体を鉄に置き換えたり、ウレタンをゴムに置き換えたりと目に見えない部分で原価低減が行われています。
もちろん、性能が下がってしまうことのないよう、厳しい検証実験が行われ、問題のない原価低減アイテムだけが採用されています。
モデルチェンジ手前が最も良いと言われることもありますが、フルモデルチェンジの手前は、原価低減を限界まで織り込んだ仕様であり、最も豪華な状態は、フルモデルチェンジの直後なのです。
実は、マイナーチェンジをするたびに、原価低減によって部品を外したり、安い部品になったりしているのです。
まとめ
燃費の良いエンジン、刷新されたカッコいいバンパーやホイールデザインなど、マイナーチェンジ後の方が商品魅力は高く見えますが、このような裏側があることを知ってしまうと、購入タイミングが悩ましくなりますよね。
次回、車購入の際には、こうした背景も考えてみると、面白いかも知れませんよ。
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