■「寂び」を感じるセンチュリー(斎藤 聡)
●斎藤聡が選んだ和のクルマ ベスト10
1位 トヨタ センチュリー
2位 日産 スカイライン
3位 日産 フェアレディZ
4位 トヨタ 86/スバル BRZ
5位 トヨタ カローラスポーツ
6位 マツダ マツダ3
7位 スズキ ジムニー
8位 ホンダ S660
9位 ホンダ N-BOX
10位 マツダ ロードスター
和の心といわれてすぐに思い浮かんだのがセンチュリーです。「しん」とした静謐な佇まいや、華美にならない落ち着きのある室内空間は「寂び」を感じさせます。
スカイラインとZは、昭和を彩り、また日本の自動車文化とともに育ってきた和のスポーツカーの代表です。
4位は86/BRZとしました。トヨタとスバル、2つの純国産メーカーの化学変化が生み出したスポーツカーです。日本に軸足を置いて作られた希少なクルマです。
5位はカローラスポーツ。戦後の日本の自動車の歴史そのもの。そのカローラが、走りの楽しさを備えて再登場したのですから、これは挙げないわけにはいきません。
グローバル化と言われますが、案外海外のクルマはその国の特徴を色濃く残しています。結局、日本人に向けて、あるいは日本的なこだわりを持って作ったクルマに、おのずと和の心が宿るのだろうと思います。
■日本人の笑顔が思い浮かぶクルマ(渡辺陽一郎)
●渡辺陽一郎が選んだ和のクルマ ベスト10
1位 スズキ アルト
2位 ダイハツ タント
3位 日産 セレナ
4位 ホンダ N-BOX
5位 トヨタ アルファード/ヴェルファイア
6位 スズキ ジムニー
7位 ホンダ フィット
8位 日産 キューブ
9位 トヨタ カローラ
10位 マツダ ロードスター
日本人の笑顔を思い浮かべながら開発されたクルマが、日本人の心を打つ。「このクルマと出会えてよかった」「このクルマに救われた」と実感できるクルマが生まれる。
アルトは視界からシートの座り心地、運転感覚まで、高齢者を含めたさまざまな日本人が運転することを想定して開発された。
公共の交通機関が未発達な地域では、ライフラインになり得るクルマで、多くの日本人の心に響いている。
タントは左側の前後ドアを開くと開口幅がワイドに広がり、助手席と後席に体を捩らず乗り降りできる。同乗する高齢者に優しく、今の日本の社会を見据えて開発された。
セレナは標準ボディが5ナンバー車になるミニバンでは、3列目シートが最も快適だ。2世帯同居の世帯も使いやすい。
見栄を張ったり遊び道具にするのではなく、生活を便利で快適にすることがクルマの本質だ。そのような商品が日本人の心を打つ。
■日本の凄さを知らしめたGT-R(岡本幸一郎)
●岡本幸一郎が選んだ和のクルマ ベスト10
1位 日産 GT-R
2位 トヨタ クラウン
3位 スズキ ジムニー
4位 マツダ ロードスター
5位 日産 フェアレディZ
6位 トヨタ アルファード/ヴェルファイア
7位 トヨタ ランドクルーザー
8位 トヨタ プリウス
9位 トヨタ センチュリー
10位 スバル WRX STI
いかに「日本すごいぜ!」を感じさせるか、さらには日本だからこそ生まれてきたことをいかに強く感じさせたか、といったあたりがポイントかと思う。
その点で、欧州列強をビビらせるほどの速さで日本の底力を世界に知らしめたGT-Rこそ1位としてふさわしいと思う。
将来振り返っても最も日本車の歴史に残る1台に違いない。欧州勢とは異質の武骨なデザインも日本っぽくてよい。
デザインといえば2位のクラウン。これほどグローバルな世の中になっても日本人のために存在する稀有なクルマ。世界を見わたしてもほかにない独特の雰囲気を持った、いかにも日本らしい高級セダンだと思う。
3位はジムニー。日本人特有の気質である、強者に挑む弱者に同情する、いわゆる「判官びいき」をまさしく地で行くクルマ。
小さな体で大きなクルマをしのぐほどの悪路走破性を発揮する姿に心を打たれる人は少なくないはずだ。
コメント
コメントの使い方