【なぜ狭すぎる道を案内する!?】便利すぎるスマホナビの落とし穴

 20万~30万円ほどするメーカー純正のカーナビと比べると、無料のモノも多数あり、地図データの更新も不要。そんな手軽さもあって、スマートフォンのナビアプリを使うユーザーは増えている。

 実際、開通した道がすぐに地図に反映される点など、カーナビのない車や地図データが古い場合を補う際などに非常に便利な点もスマホを使ったナビアプリの大きな利点。

 しかし、2019年9月5日に起きた京急線の踏切事故では、立ち往生した大型トラックが車両サイズや道幅を考慮しないスマホのナビ案内に従い、狭い道に迷い込んでしまった可能性も指摘されている。

 便利ゆえに見落としがちなスマホナビの弱点とは?

文:永田恵一
写真:Adobe stock、HONDA

【画像ギャラリー】CarPlayなどスマホ連携できる国産車は?


便利ゆえに注意も必要! スマホナビの弱点は?

写真はアップル「CarPlay」に対応したホンダ アコードのディスプレイ表示イメージ。ホンダではCarPlayや「Android Auto」対応ディスプレイを各車種で拡充している

【1】車の大きさを考慮した「幹線道路優先機能」がないアプリも!

 スマホのナビアプリは、ユーザーの動きを利用して交通量を把握しているものもあり、驚くようなルートを駆使して最短時間で案内してくれるものもある。

 しかし、そういったルート案内のなかにはコンパクトカーでも通れないような狭い道や、夜になると怖くて走りたくなるほど寂しいルートを案内するものもある。

 そのため、こうした懸念を解消するには、狭い道を極力避けたルートを案内する「幹線道路優先機能」や設定の際にサイズ・区分(軽自動車や大型車など)といった車種設定ができ、走りやすいルートを案内してくれるものにした方が無難だろう。

【2】「現在地」が分からなくなるリスク

 スマホのカーナビアプリは、ほとんどがスマホに内蔵されるGPSだけで自車位置を把握している。

 そのため、トンネルや山岳地といったGPSが届かないところだと、自車の位置が把握できない場合がある(従来のカーナビはGPSに加え、車速信号も現在地の情報源に使っているため、自車位置が把握できなくなることはめったにない)。

 自車位置が把握できない場合があるのはスマホの構造上やむを得ないが、なかには「Yahoo!カーナビ」のように、スマホに内蔵されるセンサーを利用して、独自に車の位置を推定する機能を追加し、スマホの性能による差はあるにせよ、トンネル内でも車の位置が動き、距離などの情報が更新されるものもある。

 可能であれば、そういったアプリを上手に活用したい。

【3】高速道路上でのルート案内に難あり

 首都高速などにある「ジャンクションのすぐ先にまたジャンクションがある」といった複雑なジャンクションの案内は、スマホのナビアプリより、やはり自車位置の把握が正確で、かつルート案内にも豊富な経験がある既存のカーナビに一日の長がある傾向だ。

主要ナビアプリ「狭い道を避ける機能」の有無は?

今や多くの人が所有するスマホと固定用のホルダーさえあれば使えるだけにスマホナビは便利だが、狭い道を案内する可能性も

■Googleマップ/無し ※2019年9月20日時点

 Googleナビは、ルート設定の経路オプションに高速道路、有料道路、フェリー使用の有無くらいしかない。

 そのうえGoogleマップは、もともと所要時間短縮のため、道幅に関係なく距離が短い、交通量の少ないルートを案内する傾向が強いので、道の雰囲気などで実際の走行時は注意したい。

■Yahoo!カーナビ/無し※2019年9月20日時点

 ヤフーカーナビもルート案内の設定は、おすすめルート、高速優先、一般優先しかなく、道幅は考慮されない。

 しかし、使ってみた経験ではグーグルマップのような狭い道も使う攻めすぎたルート案内をすることはあまりないので、そういった不安は少ない方だ。

■LINEカーナビ/無し※2019年9月20日時点

 最近登場したLineカーナビは、トヨタとの定評ある地図ソフトを使っている点やトヨタの純正カーナビとの接続、Clovaと命名されたAIによりナビやLine、Lineミュージック、radikoといったアプリが音声操作できることが大きな特徴となっている。

 ルート案内に関しては推奨、一般道優先、距離優先しか選べず、車のサイズや道幅の考慮は盛り込まれておらず、そのあたりはこれからという印象だ。

NAVITIME(左)では条件設定で「車種設定」が可能、またTCスマホナビ(右)もナビ設定から「車種設定」を行い、それを考慮したルート案内の利用が可能 ※画像はスクリーンショット

■TCスマホナビ/有り※2019年9月20日時点

 あまり知名度は高くないように感じるが、かなり前からあるトヨタが配信する無料アプリ。

 TCスマホナビは、設定の中に「軽自動車、普通、中型、大型、特大」という車種設定があり、案内するルートに道幅が反映されるというトヨタらしい気遣いが盛り込まれている。そのほかルート案内などもソツなく、カーナビアプリの中では完成度が高い。

■ナビタイム(300円/月※税別)/有り※2019年9月20日時点

 ナビタイムは、TCスマホナビ同様に車種設定があるのに加え、「細道回避」という設定もあり案内ルートに反映され、有料なのも納得できる機能を備える。

◆  ◆  ◆

 狭い道に代表される走りにくい道を回避するためには、ナビアプリ、車載カーナビともにそうした道を回避する機能が重要になってくる。

 だが、あくまでもカーナビは参考であり、最終的な判断は現場やドライバーに委ねられるべきもの。

 カーナビばかりを頼りにせず、勘や雰囲気などによる運転の判断力も磨きたいところだ。

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