日産セレナの魅力と短所とは? ミニバン王者の風格で販売1位快走中!!

 2018年のミニバン販売台数NO.1達成に加え、2019年上半期もミニバン販売台数NO.1(53,662台)も達成。

 そして、2019年8月も、シエンタ、プリウスに続き、登録車第3位(7,714台)を達成するなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの日産のミニバン『セレナ』

 8月のマイナーチェンジで、押し出しが強いド派手なフロントフェイスとなり、ノア/ヴォクシーやステップワゴンに比べて控えめだった見た目も、ライバルに引けを取らないものを手に入れた。

 しかし、パーフェクトなクルマなんて世の中にはそうはなく、弱点は存在する。

 今回セレナのいいところ、よくないところについて、元日産開発エンジニアの筆者が古巣に忖度なく解説する。

  文:吉川賢一 、写真:日産、トヨタ、ベストカー編集部

 【画像ギャラリー】ミニバン販売台数No.1セレナとライバル車

 新型セレナの試乗記はこちら→【安心! 快適!! かっこいい!!!】日産Newセレナが売れてる理由がわかった


室内空間が大きく広い!! そしてカッコよくてコスパが高い!

日産セレナ(2019年マイナーチェンジ)

 セレナを選ぶ人の多くが、セレナの室内の広さやボディの大きさ、そしてカッコよさに惹かれているという。特にハイウェイスターは、セレナの代名詞ともいえるグレードであり、日産の力の入れようも半端ない。

 そして、何といっても一番の魅力はe-POWERにあるだろう。ハイブリッド車であるのに、他メーカーのハイブリッド車と比べると、価格がだんぜん安いのだ。

 ちなみに、セレナ e-POWERハイウェイスターVとライバル車であるトヨタヴォクシーとホンダステップワゴンの3車種の価格を比較してみると、

  • ・セレナe-POWERハイウェイスターV:車両本体318万1000円
  • ・トヨタ ヴォクシーHYBRID ZS:車両価格328万6440円~
  • ・ホンダ ステップワゴンSPADA HYBRID G Honda SENSING:車両価格335万0160円~

 となる。この3台の比較ならば、廉価なe-POWERシステムを搭載したセレナが、最もコスパが高いといえる。

トヨタ アルファード
一番良いグレード価格で700万円もする

 最上級ミニバンのアルファード/ヴェルファイアには予算的に届かないまでも、大きめなミニバンが欲しいという方には、このミドルクラスミニバンの中では、セレナがベストチョイスなのだ。

運転席からの視界が良く安心感が高め

開放感が非常に高く、視界良好である

 運転席に座るとまず感じるのが、視界の良さだ。フロントウィンドウやサイドウィンドウ、そしてAピラー下の小窓まで合わせると、非常に大きなガラスエリアとなっており、開放感が非常に高い。

 また、ドライバーの着座位置が高く、上から見下ろすようになる視界となっているため、爽快感も味わうことができる。

 この開放的な空間を味わえるだけでもセレナには価値がある。しかも、1列目だけでなく、2列目や3列目でも、視界は優れており、家族や仲間たちと長距離旅行の際など、セレナはベストチョイスだといえるだろう。

広めの車内空間があり、大人数においてもゆったりと過ごせる
(画像は2018年にセレナe-POWERが登場時の内装)

カタログ燃費と実燃費の乖離が大きい

 筆者が試乗したセレナe-POWERハイウェイスターVにて、高速道路メインの走行時の実燃費は17km/L、一般道メインの走行では13km/Lとなった。

 セレナe-POWERのJC08モード燃費は26.2km/L、実際は0.8掛けの21km/Lは出てほしいところであったが、実燃費との乖離が大きくなってしまった。

 エアコンは常時ON、乗員2名と機材が30kgほどと、条件は有利だったはずである。大人数で移動をする機会もあるミニバンだが、荷物や人が乗れば乗るほど燃費はさらに悪くなるだろう。

 なお、ノートe-POWER(JC08モード燃費34km/L)では、実燃費で25km/Lを超える結果をたたき出している。重たいセレナe-POWERの燃費は、過度な期待はしてはならないようである。

e-POWERドライブは適していない!?

 ワンペダルで操作をする運転は確かに面白い運転感覚ではあるが、ミニバンであるセレナのキャラクターには合っていないように思う。

 何故なら、ワンペダルドライブを楽しく感じるのは運転者だけであり、運転者のアクセルペダル操作のスキルによって、特に減速操作がギクシャクしてしまうことがあるからだ。

 筆者も、知人や友人を乗せる際は、e-POWERドライブは選ばないようにしている。ワンペダルを上手に運転するには、それなりのスキルと経験が必要である。

 同乗者がいる場合、運転に自信のある方以外は、e-POWERドライブを使用しないことをお薦めする。

プロパイロットはいいシステムだけど…

 プロパイロットは、高速運転中の頼もしい味方であり、快適性と疲れにくさを実現してくれるシステムだ。

前方にいるクルマとの車間距離を一定に保つ (イメージ画像)

 しかし、プロパイロットの制御で、筆者には、前々から気になっていることがひとつある。LKA(レーン内のハンドル角修正制御)の制御が、どうにも嫌な感覚なのだ。

 通常、こうしたシステムは、前方にある白線をカメラでモニターしてステアリングをコントロールしている。遠くの白線を見るほどに滑らかなハンドル修正となるが、車線の中央からはズレやすいという側面がある。

 プロパイロットは、すぐそばの白線を見ているようで、そのために車線の中央を維持しようとする制御が強く、レーン中央から少しでも外れようものならば、すぐにハンドルの修正がピクピクと入る。

 真っすぐハンドルをおさえているだけなのに、ハンドルの内側からピクピクと動かされ、その頻度と速度がどうにも嫌な感覚として残るのだ。

セレナのハンドルにあるプロパイロットのスイッチ

 マイナーチェンジ前のセレナには何度も試乗したが、今回の改良型セレナでもピクピクは相変わらず。他メーカーのステアリングアシスト制御の方が、圧倒的にいいフィーリングを実現している。

 このステアリングアシストの不出来な点を指摘する試乗評価者はあまりいないのだが、筆者としては日産のプロパイロットには、今よりも滑らかな制御となるように改善を望みたい。

まとめ

 セレナのいいところは言うまでもなく、広さ、大きさ、デザイン、そしてコスパである。

 これまでにセレナは多くの方が購入し、街中でその姿を見ない日はないほどに台数が増えている。日産にとっては、絶対にコケてはならない一台であり、毎モデルとも並々ならぬ気合で取り組んでいるであろう。

 それだけに、おもてなし装備や車内の使い勝手の良さは抜群であり、かゆいところに手が届くクルマであるのは間違いないが、筆者は、あと一歩、走りの安心感が足りていないと感じる。

 また2年後辺りに、セレナはモデルチェンジが行われるであろう。日産渾身のクルマであるはずのセレナには、さらに熟成が進んだプロパイロットを期待したい。

【新型日産セレナe-POWER ハイウェイスターV 主要諸元】

  • 全長×全幅×全高 4770×1740×1865mm
  • ホイールベース 2860mm
  • 車両重量 1760kg
  • エンジン 直4DOHC+モーター
  • 総排気量 1198cc
  • 最高出力 84ps/6000rpm
  • 最大トルク 10.5kgm/3200~5200rpm
  • モーター最高出力/最大トルク 136ps/32.6kgm
  • JC08モード燃費 26.2km/L
  • 価格(8%税込) 343万5480円

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