運転席からの視界が良く安心感が高め
運転席に座るとまず感じるのが、視界の良さだ。フロントウィンドウやサイドウィンドウ、そしてAピラー下の小窓まで合わせると、非常に大きなガラスエリアとなっており、開放感が非常に高い。
また、ドライバーの着座位置が高く、上から見下ろすようになる視界となっているため、爽快感も味わうことができる。
この開放的な空間を味わえるだけでもセレナには価値がある。しかも、1列目だけでなく、2列目や3列目でも、視界は優れており、家族や仲間たちと長距離旅行の際など、セレナはベストチョイスだといえるだろう。
カタログ燃費と実燃費の乖離が大きい
筆者が試乗したセレナe-POWERハイウェイスターVにて、高速道路メインの走行時の実燃費は17km/L、一般道メインの走行では13km/Lとなった。
セレナe-POWERのJC08モード燃費は26.2km/L、実際は0.8掛けの21km/Lは出てほしいところであったが、実燃費との乖離が大きくなってしまった。
エアコンは常時ON、乗員2名と機材が30kgほどと、条件は有利だったはずである。大人数で移動をする機会もあるミニバンだが、荷物や人が乗れば乗るほど燃費はさらに悪くなるだろう。
なお、ノートe-POWER(JC08モード燃費34km/L)では、実燃費で25km/Lを超える結果をたたき出している。重たいセレナe-POWERの燃費は、過度な期待はしてはならないようである。
e-POWERドライブは適していない!?
ワンペダルで操作をする運転は確かに面白い運転感覚ではあるが、ミニバンであるセレナのキャラクターには合っていないように思う。
何故なら、ワンペダルドライブを楽しく感じるのは運転者だけであり、運転者のアクセルペダル操作のスキルによって、特に減速操作がギクシャクしてしまうことがあるからだ。
筆者も、知人や友人を乗せる際は、e-POWERドライブは選ばないようにしている。ワンペダルを上手に運転するには、それなりのスキルと経験が必要である。
同乗者がいる場合、運転に自信のある方以外は、e-POWERドライブを使用しないことをお薦めする。
プロパイロットはいいシステムだけど…
プロパイロットは、高速運転中の頼もしい味方であり、快適性と疲れにくさを実現してくれるシステムだ。
しかし、プロパイロットの制御で、筆者には、前々から気になっていることがひとつある。LKA(レーン内のハンドル角修正制御)の制御が、どうにも嫌な感覚なのだ。
通常、こうしたシステムは、前方にある白線をカメラでモニターしてステアリングをコントロールしている。遠くの白線を見るほどに滑らかなハンドル修正となるが、車線の中央からはズレやすいという側面がある。
プロパイロットは、すぐそばの白線を見ているようで、そのために車線の中央を維持しようとする制御が強く、レーン中央から少しでも外れようものならば、すぐにハンドルの修正がピクピクと入る。
真っすぐハンドルをおさえているだけなのに、ハンドルの内側からピクピクと動かされ、その頻度と速度がどうにも嫌な感覚として残るのだ。
マイナーチェンジ前のセレナには何度も試乗したが、今回の改良型セレナでもピクピクは相変わらず。他メーカーのステアリングアシスト制御の方が、圧倒的にいいフィーリングを実現している。
このステアリングアシストの不出来な点を指摘する試乗評価者はあまりいないのだが、筆者としては日産のプロパイロットには、今よりも滑らかな制御となるように改善を望みたい。
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