クラウン vs BMW 320i、スープラ vs Z4…ほか 走りのガチ対決 5番勝負!!

■トヨタ スープラ vs BMW Z4

(TEXT/斎藤 聡)

 スープラとZ4は、同じプラットフォーム、同じエンジン、同じ制御デバイスを搭載する兄弟車。

 トップグレードのスープラRZとZ4 M40iを比較してみた印象だと、乗り味は凄く似ているなあと感じた。

●トヨタ スープラ(490万~690万円)

2002年に先代の80型スープラが生産終了して以来の復活を遂げたスープラ。エンジンはBMW製直4、2Lターボと直6、3Lターボの2本立てラインナップ

 もっと味つけを変えてくるのかと思っていたのだが、プラットフォームが同じ。ホイールベースもエンジン搭載位置も変わりなく、味つけの要となるダンパーユニットも同じモンロー製となれば、オープンとクローズドの違いはあっても、スポーツカーを目指すかぎり、走りのキャラクターも似てくるのだろう。

 ホイールベースの短さからくるシャープな操縦性も、一卵性双生児はよく似ている。ただ、ひとつ違いを感じたのは、アクティブデファレンシャルのセッティングだ。

 基本的には、低速域ではシャープに、高速ではどっしりした安定方向の味つけで共通しているのだが、ハンドルを左右に繰り返しすばやく切ってみると、Z4はわざと応答を鈍くする……アクティブデフの差動制限を強めにして応答を鈍くするような反応になり、一方のスープラは、差動制限を強めないのか、最後までハンドルの動きに追従しようとシャープな応答性を持続する。

●BMW Z4(566万~835万円)

兄弟車だけあってほぼ同じコンポーネンツを使っているBMW Z4。スープラよりもスポーツカー寄りのセッティング

 この味つけにトヨタとBMWの操縦性に関する考え方の違いが見える。つまり、BMWはドライバーが追いつかない応答性は危険なので、適度に鈍らせ、安定方向でコントロール性を確保する。

 スープラは、どんなに速い動きになってもステアリングによるコントロール性を重視しているのだろう。

 ただ印象としては、オープンとクローズドの一卵性双生児ともいえる共通性を強く感じた。

■斎藤 聡の採点
・走りの質感…スープラ 9点/Z4 9点
・エンジン性能…スープラ 8点/Z4 8点
・ハンドリング…スープラ 8点/Z4 9点
・ファントゥドライブ度…スープラ 9点/Z4 9点
・コストパフォーマンス度…スープラ 9点/Z4 9点
・総合点…スープラ 43点/Z4 44点

■ホンダ シビックタイプR vs ルノー メガーヌR.S.

(TEXT/松田秀士)

 ルノー メガーヌR.S.は4WS(4輪操舵)を採用しているし、サスペンションはしなやかなんだけど、リアの安定感を出すことができている。

 低速コーナーでは、逆位相にタイヤが切れるのでFFの苦手な部分をカバーしている。高速コーナーでも安定感が高い。

 グリップレベルでいうと、シビックタイプRのほうが高いと思うし、路面のいいサーキットであればタイプRのほうが速いと思うが、ニュルのようなコースではメガーヌのほうが足がきちんと動く。

 シビックタイプRはひとつの技しか出せない不器用さがあるのだが、メガーヌのほうはドライバーの持っているテクニックを豊富に駆使することができる器用なクルマといえる。

●ホンダ シビックタイプR(450万360円)

●ルノー メガーヌR.S.(440万円)

セールスのための売り文句が欲しくて、サーキットでの結果を求めていたのがシビックタイプR。メガーヌR.S.も速さを追求しているが、シビックタイプRとは異なるアプローチの仕方をしている

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