なぜ実燃費はカタログ数値よりも悪いのか? 測定現場で光る“燃費プロ”の技

JC08モードに特化する日本車と特化できない輸入車

また、クルマそのものもJC08モード計測の走行パターンで燃費がよくなるものにすることもできる。特にトランスミッションがCVTであればセッティングの幅が広く、“JC08モードスペシャル”に仕立てやすい。クルマもドライバーもJC08モードに特化しているのだから、いい数値が出るのも当然だろう。

さらに燃費計測には影響しない消費エネルギーの問題もある。実際の走行ではエアコンやカーナビなどの電装品や補機類でけっこうなエネルギーを消費しているが、JC08モード燃費の測定ではそれは反映されない。これも実燃費との乖離が発生するひとつの要因となる。

国産車はCVTを採用するモデルが多く、対して輸入車にはほとんどCVTを採用するモデルは皆無。多段ATが主流となっている
国産車はCVTを採用するモデルが多く、対して輸入車にはCVTを採用するモデルは皆無。多段ATが主流となっている

いっぽう、輸入車の場合はどうか。輸入車も年間の輸入台数が5000台を超えるクルマに関してはJC08モード燃費の計測、表示が義務づけられており、日本車と同じ試験を受ける。日本ではなく海外の施設で行うこともあるが、内容は同じ。この点で日本車と輸入車の差異はない。

ただし、違うのはスペシャルなドライバーとクルマの設定がないということだ。JC08モードの走行パターンで究極の燃費を叩き出すドライバーもいなければ、クルマをそこに合わせるセッティングもしていない。それは「そこまで日本市場に特化できない」(某インポーター関係者)からだ。同じ車格で比べた場合、輸入車のカタログ燃費は日本車よりも劣ることが多いが、その理由のひとつがこれ。基本的に輸入車には“JC08モードスペシャル”がないのだ。

 

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