マイルールがあるように会社にも独自のルールがあったりする。いつのまにかそれが文化になり、会社の特色になるなんてことも多い。
今回は自動車関連企業の「社内あるある」を教えてもらったのでいくつかみていこう。
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部、西尾タクト
ベストカー2016年6月26日号
社風に見る自動車会社の素顔
どこの会社にも社風があるように、ベストカーのコンテンツを作っている講談社ビーシーにも社風があったり。
例えばみんなクルマ好きだからどこに行くにもクルマを使うのは日常茶飯事。編集部のある東京から名古屋に行くのはもちろんクルマ、下手したら本州内ならクルマでOKという編集者も。
またスポーツカーの広報車をメーカーに借りにいくと、なかなか帰ってこないなんてことも多々あったり。ひととおり好きなだけ運転しないと気が済まないというクルマ好きオジサンたちの集まりでもある。
こうなると気になるのが自動車会社やパーツメーカーにも、同じような社風があるのだろうかということ。そこで今回は各社の協力のもと、ユニークな社風や慣習を集めてみたので紹介しよう。
部下が運転するのはむしろ失礼!? クルマ好き集団の企業たち
【スバルの場合】
「うちの会社では、特に開発部門の社員がクルマで出張に出る際、誰が運転するかでもめるんです。たいていの場合、上司が権限にものをいわせてハンドルを握ってしまうのです。
そこで部下が運転席を確保して譲らなかったりすると、上司がちょっとふくれっ面になったりするシーンをそこかしこで見かけます。
また冬の雪道がある場所への出張の際はAWDの性能を確認するためか、その傾向はもっと強くなります。もはや闘いなんです」
【オーテックジャパンの場合】
「ウチもスバルさんと同じで外出時の運転は上位職が積極的にやりたがります。ウチは小規模な会社なので、社用車は8台しかありません。そのうち2台がMT車なのですが、まずこのMT車から使用予約が埋まるんです」
両社とも運転を上司が進んでしてくれるなんて、一般の会社からしたら嬉しい事態。でも部下もクルマ好きだから運転したくてたまらないというのが少し異なるところかも!?
鈴木さんの悩みは自動車会社にも
【スズキの場合】
鈴木さんといえば学年に2人は必ずといってもいいくらいいる名字。鈴木ファミリーが経営するスズキ自動車でも、学校と同じような「鈴木さんあるある」があるようだ。
「弊社は経営陣をはじめ、部長級にも鈴木姓がたくさんいるので、基本的には下の名前にさん付けで呼ぶのが習慣です」というのはスズキ。
会長が修さんで社長が俊宏さん、さらに国内営業本部長の常務役員が敏明さん。この3名の鈴木姓経営陣のほかにも部課長級にたくさん鈴木さんがいるので、下の名前で呼ばないと混乱というか、間違いが発生しちゃうらしい。
単純に鈴木姓でもスズキに入社したら下の名前で呼ばれるかも?
マイホームの呪縛というコワ〜い話
【本田技研工業の場合】
「念願のマイホームを手に入れると、やっと完成してさあ間もなく引っ越しだ!! というタイミングで 海外勤務を命じられる」というのはホンダ。
もちろんみんながみんなということではないのだろうが、ホンダ社員に聞くと誰もが「ウチではみんなマイホームを買うとビクビクしています」というから、かなりの確率でそうなる傾向が強いのだろう。
もっとも、マイホームを手に入れるというと、入社して10年程度が経った働き盛りの中堅社員という人が多いはず。
結婚もして、仕事にもますます力を入れて……なんていう時期だから、会社的には海外勤務や地方勤務で経験を積ませようというタイミングと合致するということなのだろう。
同じような傾向がトヨタ、横浜ゴムなどでもあるという。
実際、横浜ゴムの某社員は「マンションを購入し、いよいよ完成して入居日まであとちょっと……というタイミングで中国勤務を命じられました。せっかく買ったマンションですが、しばらくは空き部屋状態で……」とのこと。
役員に向かっても名前で呼ぶ? グローバル企業あるある
【日産自動車の場合】
日産は上司に対する「さん付け」文化が根付いており、これはルノーとのアライアンス以前、30年以上前から続いているという。現在では外国人上司に対してファーストネームで呼び捨てにすることも当たり前とか。
「英語での会議などが日常なので、ルー大柴さながらのカタカナ英語に日本語が混じったような会話がそこら中から聞こえてきます。一部の会議室には同通ブースが3つあって4カ国語同時会議ができるようになっています」(日産広報部)
というのは、グローバル企業日産らしいエピソードだ。でも役員に向かって「Hi, John!!」というのは日本人にはなかなか抵抗がありそうだ。