「自分のクルマに向かって真正面からクルマが迫ってくる」。そんなシーンを想像すれば誰でも身の毛がよだつに違いない。
しかし昨今、特に高速道路上で、逆走事案が後を絶たない。こうした背景もあり、NEXCO 3社は「高速道路上での逆走対策技術」を2017年2月10日まで公募中だ。
その公募内容とは、いったいどんなものなのか。そして、誰が公募できるのか。NEXCO中日本広報部に聞いた。
ベストカー2017年1月10日号
『アポなし日本全国電話調査』
応募者の想定は民間企業、団体、大学など
編集部 もしもし、「高速道路での逆走対策技術の公募」を行っていると聞いたのですが、狙いは何でしょうか?
NEXCO中日本広報部(以下、NEXCO) 全国の高速道路上では2日に1回ほどの割合で逆走事故が発生しており、国土交通省では2020年までに「逆走事故ゼロ」の目標を掲げたんです。
それを受けて、私どもを含めたNEXCO 3社(NEXCO東日本、中日本、西日本)が「逆走対策技術」を一般公募する運びとなったのです。
編集部 NEXCOさんは以前から逆走の対策などもやっていたような気がしますけど。
NEXCO はい。2016年3月に「高速での逆走に関するロードマップ」を策定しました。入口や出口などの標識がわかりづらい箇所に、新たな標識設置で未然に逆走を防ぐ対策などをしています。今回の公募は、その取り組みの一環です。
編集部 では、「俺にはこんな逆走対策がある」と自由に応募していいんですか?
NEXCO そういう個人的意見の提案のみでは、今回は受付しない方針です。その案を共同開発する企業や団体なども同意のもとで提案してもらうやり方です。
ですので、想定としては民間企業や団体、大学などから応募してもらう感じです。2020年まで時間がないので、そのほうがより早く具体的に逆走防止対策が完成すると思いますので。
編集部 たしかに“絵に描いた餅”では現実性がないですしね。それで、なにかテーマを設けて公募しているのですか?
NEXCO はい。大きく3つあり、1.道路上での視覚的、物理的な注意喚起。2.道路で逆走を発見した場合の情報収集と伝達。3.逆走したクルマへの注意喚起。
このなかで、1.は“わかりやすく伝える”というのがカギになると思います。
編集部 例えば、高速インター出口に「クルマが降りてきている写真」(※メイン写真)を、入ろうとしている側からしか見えないように投写する、というのはどうでしょうか?
NEXCO いいアイデアかもしれませんね。今の技術ならできそうですよね。
編集部 プロジェクションマッピングの進化版のような、リアルな写真か映像を投写できれば、「おっ、ここは出口か」と誤って入りそうなドライバーも気づくと思いますけどね。
すでに企業などから対策案が寄せられているが、応募総数や具体的な案の内容については現時点では非公表とのこと。
高速で逆走するのは高齢者がほとんどと思われがちだが、65歳以上=68%、30~65歳未満=24%、30歳未満=8%という統計結果がある。
高齢者でなくても、初めての道を走り、さらに夜間となれば、本来入ってはいけない進行方向から誤って逆走してしまう可能性はある。逆走対策は喫緊の課題だ。
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