どんな場面で活躍する?
想定ユースケースは明快だ。まずは施設内回遊――テーマパークやアウトレットモール、空港・駅、博物館・美術館、大型病院など、広い敷地を歩き回る必要がある場所だ。快適な交通手段で現地に着いても、目的地での徒歩移動がネックとなって外出をためらう人は少なくない。UNI-ONEはその“一歩”の負担を軽くし、外出機会の拡大につなげる。
また業務負荷の軽減という観点でも有望で、オフィスや商業施設の運営・警備・点検といった“歩きながら手を使う”仕事で生産性向上に寄与する。歩行に不安のある人材の活躍を後押しできる点も、少子高齢社会の現場には刺さるはずだ。
販売方法は、公式サイト経由でのサービス契約(サブスクリプション)を基本とする。パッケージには本体に加えて交換式バッテリー2個、充電器、定期点検、オンサイト修理、コールセンター、保険、運用管理アプリが含まれ、運用の手離れがよい。
販売予定台数は年間200台で、2030年までの5年間で1000台限定の販売となる。料金は1台あたり税込で、3年契約が月12万円(10台未満)/10万円(10台以上)、6年契約が月9万円(10台未満)/8万円(10台以上)と明快だ。イベントなど短期用途に向け、1日5万5000円/台のレンタルプランも用意される。
導入先の第一報としては、大分県の屋外型テーマパーク「サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド」が2025年10月19日(日)からの採用を決定。小さな子どもからご年配、障がいのある方まで、長時間歩行の不安を和らげて一緒に楽しめる環境づくりを目指し、UNI-ONEを活用するという。ここで得られる運用知見は、他の大型レジャー施設や商業施設へ横展開するうえで重要な示唆になるだろう。
編集部として注目したいのは、「歩く自由」を拡張する視点での設計思想だ。車椅子や電動カートとも異なる“着座で歩くように移動する”体験は、移動=移動手段ではなく、移動=体験価値として捉え直す提案に見える。
上述のとおり、両手が自由になるため、家族と手をつなぐ、写真を撮る、荷物や作業をこなす――といった“同時並行の行動”が自然にできるのもポイント。
加えて、施設側の視点では、メンテナンスと保険、保守費用込みの契約設計により稼働率を担保しやすい。速度上限4.5km/hと歩行者扱いのルールは、安全と共存のための前提条件として納得性が高い。
「このUNI-ONEのゴールはどんなところにありますか?」との記者からの質問に、事業責任者であるホンダの中原大輔氏は以下のように答えてくれた。
「このUNI-ONEが普及するためにはインフラ整備がもっと進む必要があります。そうした道路整備は高齢者の方や障がい者の皆さんにとってもすごしやすい社会であるはずです。誰もが気軽に移動できて、笑顔になれる社会に近づくこと、そういう社会にUNI-ONEが馴染んで支えることがゴールだと考えています」
これ、一度乗るとマジでクセになります。すごく快適。ぜひとも多くの試乗機会をもうけていただいて、多くの人に乗ってみてほしい。乗ればわかります。快適。それで、いまの現役世代が足腰が立たなくなるような時期に、なんとか間に合ってほしい。

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