スーパーGT、スーパー耐久などでおなじみのKONDOレーシング。その監督を務めるのが近藤真彦監督だ。
今回はWEBベストカーが4月2日(日)のスーパー耐久第1戦(ツインリンクもてぎ)決勝前に、近藤監督に独占インタビュー。今年のハコレースの展望をメインに語ってもらった。
文:WEBベストカー編集部/写真:塩川雅人
スーパー耐久、連覇なるか?
昨年スーパー耐久にて監督として初のシリーズチャンピオンに輝いた近藤監督。今年もスーパー耐久が開幕し、今度は追われる身となったKONDOレーシングのスリーボンド日産自動車大学校GT-R。
今回は開幕戦ツインリンクもてぎでの決勝開始前に、ベストカーWEBが単独インタビュー。スーパー耐久とスーパーGT、ふたつのハコ車カテゴリーについて、今年の展望を語ってくれた。
BC:昨日(4月1日)の予選ではクラス3位となりましたが、決勝での手応えはありますか?
近藤監督:8号車のARNフェラーリがトップ、そして3号車のエンドレスGT-Rが2位でしたね。昨年も最後まで競った3号車は気になりますが、耐久レースなので予選1発の速さはあまり気にしていませんよ。タイミングもあるのでね。
BC :今年のレースへの姿勢でなにかチーム内で意識していることはありますか?
近藤監督:さっきもメカニックやドライバーに言ったんだけど、レースを落とせないよ、ということですね。
昨年も3号車が終盤までずっとすぐ後ろを走っていたので、それを考えるととにかく一度もレースを落としたくない、そういう気持ちをチームで共有しています。
BC:戦略的になにか新しい意識はありますか?
近藤監督:レースを落とさないために、勝ちを狙うのは当然ですが、レースで成績を残すという決断もしたい。2位を走っているのに、無理してプッシュをしてリタイアというような、ギャンブルのような作戦はあまり取りたくない。
そこは耐久レースならではで、GTやフォーミュラとは違う戦略です。レースも少ないのでなおさらですね。
BC:ライバルも強力な布陣ですね。
近藤監督:ライバル勢はドライバーもマシンもかなり強いですが、うちのチームも表彰台の真ん中が当然の戦力が揃っています。だから1位になった、で喜んでいてはだめ。シリーズチャンピオンを獲ってこそだと思います。


スーパーGTはコンスタントなポイントゲットが目標
BC:スーパーGTは新戦力も加入しましたね
近藤監督:J.P.オリベイラ選手が加入しましたが、チーム体制やクルマの開発については順調にいっています。テストではGT-R以上に速いレクサス勢が気になるかな。
BC :レースでもレクサス勢を強く意識していますか?
近藤監督:当然タイムを見ているとかなり速いけれど、レースはタイムアタックではないからね。レースになればGT-Rのほうがアドバンテージがあると思います。
レクサスは少し乗りにくそうな姿も見えるので。ポテンシャルの高さはわかっていますがそこまで苦手意識はありません。
BC:昨シーズンは2勝をあげましたが今年はズバリ?
近藤監督:昨年は0点か100点かというかなり極端な成績でした。今年は2回優勝して、そのほかでもコンスタントにポイントを取れば、S耐とのダブルチャンピオンも夢ではないと思っています。応援よろしくお願いします!!

スーパー耐久 第1戦 気になる結果は?
4月2日(日)にツインリンクもてぎで決勝が行なわれたスーパー耐久第1戦(200分耐久)。ST-Xクラスは8号車ARNフェラーリがポールポジション、2位は3号車エンドレスGT-R。1号車の日産自動車大学校GT-Rは3位スタートだ。
スタート直後、1コーナーの攻防で1号車のエース藤井誠暢選手がトップに躍り出る。3号車がアウトから8号車を抜きにかかり、8号車の意識がアウトに向かった隙をついてインに飛び込んだ。
1号車に食らいつく3号車も1分51秒台のタイムで周回し、今年もこの2台のライバル関係を印象付けた。
その後ギャップはみるみる広がり最終的には23秒差。首位独走体制となったが、これは耐久レースだとまだまだ安全マージンとは言い切れない。しかしミスをしないのがKONDOレーシング。
藤井選手からバトンを受け継いだ内田優大選手、そして最終ドライバーの平峰一貴選手も安定した走りを見せ、1号車の貫禄勝ちとなった。
初戦の戦いを見る限り今年も3号車エンドレスが最大のライバルとなりそうだが、これから熟成の進むであろうフェラーリ、そして2台いるGT-Rとの戦いにも注目だ。

