新車が出るとその性能や、スタイリングなど輝くポイントでほしくなることも。しかしどうも最近クルマの価格ってなんだか高いような気がしませんか?
そこでほんとうにクルマは高くなっているのか、2001年の新車価格と比較してみた
文:ベストカーWEB編集部/写真:マツダ、shutterstock
初任給は微増なのに新車価格はグーンと上がった!?
新車の価格が上がっているような気がするのは気のせいだろうか?
以前もベストカーで【「国産車は以前より高くなった」は本当か?】という記事を掲載したことがあるが(この記事では「物価と比較するとそれほど変わっていない」という結論だった)、たしかに40年前の価格(物価自体が1/4だった頃)からすれば、価格はそこまで変わっていないかもしれない。
しかしである。ほんの15年前の2001年、21世紀になってからはクルマの価格は高騰を続けているに違いないと担当はにらんでいる。
経済の停滞で1台あたりの利益率を上げなくてはならないなど、メーカーの懐事情も大いにわかる。しかし、薄利多売でもいいのではないか? なんてユーザー目線では感じてしまうのだが……。
まずスポーツカーで見ていこう。現行のエントリースポーツといえば86/BRZだろう。クルマの性能としては充分満足のいくものだが、価格も少々お高い。
2002年式のシルビア(S15)の最上級モデル”スペックR Vパッケージ(6MT)”が239万円だったのに対し、86のベースグレード”G”は262万3320円だ。差額23万円。
ぐぬぬ。高い。
定番のマツダロードスターは2001年のNBロードスターが1.8Lのベースグレード”1.8 S”で235.2万円、2017年NDロードスターのベースグレード”1.5S MT”は249万4800円だ。
一見かなりお買い得にも思えるが、NBまでベースグレードになる1.6Lが存在し、その価格が199.8万円だったことを考えるとかなり割高になっている。その差49.68万円。
キビシー。
オジサマの憧れクラウンはいかがだろう。こちらもベースグレード比較。2001年の170系クラウンは2.0ロイヤルエクストラが318.6万円、2017年の現行クラウンは2.5ロイヤルで381万円。約63万円のアップ。これはかなり大きいギャップだ。
ではいつの時代もお値打ち価格で親しみのある軽自動車はどうだろう。きっちり値上げはおこなわれていました。
ワゴンRを例に取ろう。2001年式のベースグレード”FG”はMTでこそあったものの94.5万円。
いっぽうで2017年式ワゴンRのベースグレード”FA”は107.8万円。価格差約13万円。登録車よりは上げ幅は少ないものの、軽自動車も確実に値上がりしている印象だ。
これが、仮にもこの15年の間に新卒初任給が10万円でも上がっているならまだ話はわかる。
ところが厚生労働省の統計を見る限り、2016年と2001年の初任給(学部卒・男子)の差はたったの5100円。この15年で平均月収は5100円しか上昇していない。消費者のお財布が厳しいのはずっと変わらないのだ。
「若者の車離れ」が叫ばれて久しい。確かに車のライバルは増えた。月々のネット接続料やスマホ代の支払いは大変だろうし、就職難も続いている。
しかしそれ以前に「とりあえず若者には買える車がない」という現実にも向き合うべきではないかと本誌は思っております。
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