【ロードスター、WRX S4…】月販3ケタ以下!! 売れてないけどいい車 2017秋編

■スバル WRX S4 2017年8月販売台数 389台

WRX S4
WRX S4

 スポーティモデルではスバルWRXも挙げられる。水平対向4気筒2Lのターボエンジンを搭載する高性能セダンだが、全幅を1800mm以下、最小回転半径を5.5m(WRX S4・2.0GTアイサイト)に抑えるなど取りまわし性にも配慮した。

 日本の狭く曲がりくねった峠道でもボディの大きさを持て余さない。

 動力性能と走行安定性は抜群に高く、ドライバーの意図どおりにカーブを確実に曲がり、危険を回避する時でも挙動の乱れが少ない。

 その上で運転のしやすさも兼ね備える。乗り心地や後席の居住性も優れ、ファミリーカーとしても使いやすい。日本国内で購入できる最も優秀なスポーツセダンと考えられる。

■三菱 アウトランダーPHEV 2017年8月販売台数 293台

アウトランダーPHEV
アウトランダーPHEV

 最先端の環境性能を備えた車種では、三菱アウトランダーPHEVに注目したい。2Lエンジンは主に発電機の作動に使われ、ホイールの駆動は限られた巡航時を除くと前後に配置されたモーターが行う。

 そのために加速感が滑らかで、乗り心地を含めて上質な走りを味わえる。4輪の駆動力制御も綿密に行われ、走行安定性と乗り心地のバランスが優れている。

 さらにハイブリッド車でありながら充電機能も備わり、駆動用リチウムイオン電池の総電力量は12kWhを確保した。エンジン音や振動を発生させないモーター駆動による上質な走りを、長い距離にわたって楽しめる。

■トヨタ ポルテ 2017年8月販売台数 555台

ポルテ
ポルテ

 そして日本の市場に適した背の高いコンパクトカーやミニバンにも、売れ行きが伸び悩みながら、実際に使う人達からは高い支持を得ている車種がある。

 この典型がトヨタポルテ(あるいは姉妹車のトヨタスペイド)だろう。全長が4mを下まわるコンパクトカーだが、全高は1690mmとミニバン並みに高く、広い室内を備える。

 ドアの配置は左側が1枚のスライド式、右側は前後に2枚の横開き式とした。左側に備わるスライドドアの開口幅は1020mmとワイドで、床面地上高(床と路面の間隔)は300mmに抑えたから、助手席の乗降性が抜群に良い。高齢の同乗者にも優しく、福祉車両のような使い方ができる。

 また後席には座面を持ち上げる機能が備わり、助手席を前方に寄せると車内の中央が広い空間になる。床の低いスライドドアから、車内の中央に荷物を積み込むことも可能だ(ただし衝突時に加害性を持つ荷物は避けたい)。

 このようにポルテはほかの車種にはない魅力を備えるため、実際に使う人達の満足度が高い。それなのに売れ行きが低迷するのは、左右非対称のボディが、一般的な用途ではメリットをイメージしにくいからだ。

 後席に座った乗員が左側から乗り降りする時も不便を感じる。緊急自動ブレーキのトヨタセーフティセンスCの装着が、2016年6月にズレ込んだことも販売が伸び悩む原因となった。

 今では背の高いコンパクトカーとしてトヨタルーミー&タンクも用意され、販売台数はさらに落ち込んだが、走行性能、乗り心地、内装の仕上げなどはポルテ&スペイドが優れている。

 ルーミー&タンクは、わずか2年間で開発された経緯もあり、商品力はポルテ&スペイドに劣る。

■三菱 デリカD:5 2017年8月販売台数 874台

デリカD:5
デリカD:5

 ミニバンではデリカD:5も根強い人気に支えられている。プラットフォームはアウトランダーと共通で、4WDには前後輪に駆動力を配分する油圧多板クラッチの締結力を高めるロックモードを装着した。

 最低地上高はSUVの平均水準を上まわる210mmを確保して、悪路のデコボコも乗り越えやすい。ミニバンの4WDではナンバーワンの走破力を備える。

 さらに2.2Lのクリーンディーゼルターボも用意した。今のところミニバンでは唯一のディーゼル車だ。

 そしてもうひとつの魅力は居住性。全長が4800mmを下まわるミニバンでは3列目シートのスペースが最も広く、1/2列目の座り心地も快適だから多人数乗車に適する。

 これらの商品特徴は、いずれもデリカD:5でなければ得られない。そのためにデリカD:5を何台も乗り継ぐ根強いファンが少なくない。

 また三菱の販売店舗数は全国に約600箇所だ。トヨタ4系列を合計した4900店舗、ホンダの2200店舗、日産の2100店舗に比べると圧倒的に少ない。

 デリカD:5の月販台数が800台にとどまっても、1店舗当たりの取り扱い台数は、ホンダや日産の2倍以上になる。これはアウトランダーPHEVについても同様のことが当てはまる。

 三菱に限らず、販売台数を評価する時には、販売店舗数も視野に入れないと過小評価することになるので注意が必要だ。

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