■「クラスを超えた上質感がある」マツダ デミオ
この企画が扱う普通のクルマには、コンパクトカーからミドルセダンまで、複数のクラスに該当する車種が含まれる。クラスを超えた上質な車種も複数が用意されるが、なかでも最も注目されるのはデミオだ。
コンパクトカーでも内装が上質で、特に13SとXDのツーリング、同Lパッケージは、インパネの下側にソフトパッドを備えた合成皮革のデコレーションパネルを装着した。
価格は1.3Lのガソリンエンジンを搭載する13Sツーリングが170万6400円と少し高いが、緊急自動ブレーキやLEDヘッドランプも標準装着する。
そして同じデザインのインパネを、もっと高価な230万~280万円が売れ筋のCX-3も採用した。デミオは後席と荷室が狭く、普通のクルマとして欠落した機能もあるが、上質感は相当高い。
■「コスパの高さがキラリと光る」ホンダ フィット
クルマのコストパフォーマンスは、出費に対していかに高い価値を得られるかで決まる。
この1位はフィットだ。全長が4mを下回る運転のしやすいコンパクトカーで、全高も1550mm以下だから立体駐車場を使いやすい。そのいっぽうで燃料タンクを前席の下に搭載して荷室の床が低い。後席を床面へ落とし込むように畳むと外観からは想像できない大容量の荷室になる。
さらに居住性も優れ、後席の足元空間はミドルサイズセダンと同等だ。先ごろの改良ではホンダセンシングを採用して、緊急自動ブレーキの性能を高め、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも装着した。
高機能で装備を充実させながら、1.3Lエンジンを搭載する13G・Lホンダセンシングの価格は165万3480円と割安で、コスパ度No.1だ。
■「安全装備のレベルが高い」スバル インプレッサスポーツ&G4
「普通のいいクルマ」のあり方は、時代の流れに応じて変化する。最近注目されているのは、事故を避けたり衝突の被害を小さく抑える緊急自動ブレーキだ。
昔から安全性はクルマにとって重要だが、最近は高齢ドライバーの増加もあって必要性をさらに高めた。緊急自動ブレーキの機能が乏しい車種は、もはや普通のいいクルマとはいえない。
この点ではインプレッサが注目される。アイサイトバージョン3は、歩行者や自転車を含めて緊急自動ブレーキの性能が高い。2車線道路などで後方の死角に入る並走車両を知らせる機能も選べる。
また、歩行者保護エアバッグも全車に装着した。歩行者との衝突を検知するとフロントウィンドウの下側からエアバッグが展開して、歩行者の頭部などを保護する。
■「運転のしやすさ重視!」トヨタ カローラアクシオ
視界と取り回し性は「普通のいいクルマ」の必須条件だ。特に後方視界は「普通に使えない」劣悪な車種が多い。
バックモニターが普及したが、画面はインパネなどに装着され、前方を見ながら後退する。モニターの視野は狭いから、側方から接近する自転車などを見落としやすい。
その意味でカローラアクシオは優秀。ウィンドウの下端が低い水平基調のボディだから、前後左右ともに直接確認できる。最小回転半径も4.9mで運転がしやすい。
■とにかく個性派に乗りたい」トヨタ ポルテ&スペイド
「普通に使える個性派」は矛盾のある表現に思えるが、ポルテ&スペイドは両方を備える。全高が1600mmを上回る背の高いコンパクトカーだから、4名乗車が快適で、混雑した街中でも普通に運転しやすい。
そのいっぽうで左側には1枚のスライドドアが備わり、助手席部分の床面地上高は300mmと低い。助手席の乗降性は抜群で、福祉車両の性格を備える。助手席を前方に寄せると、スライドドアから自転車を積むことも可能だ。
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