凍結したガラスをエアコンで解かすと割れる恐れも
機械的な部分以上に気をつけるべき点はウインドウの凍結だ。
写真は、JAFが行ったユーザーテストのもの。フロントガラスが雪で凍ったら……これをエアコンで解かそうとすると、思わぬ被害に見舞われるケースがあると鈴木氏は指摘。
「自動車用の合わせガラスは傷つきやすく、外気が冷えていて、車内が温かい状況だと、場合によってはガラスが割れます。私自身、数年前に東京で雪が降った後、エアコンで雪を解かした際にガラスが割れました。お湯をかけるなどはもってのほかです」
JAFによるテストでは、エアコンのデフロスター使用で、視界確保までにかかった時間は約10分。ガラスが割れやすいだけでなく、時間もかかってしまう。市販の解氷剤を使えば、フロントガラスの凍結は1分程度で解かせる。
EVはヒーター使用で航続距離が大幅に減る
このほか、電気自動車(EV)では、寒さによって大幅に航続距離が短くなるという点にも注意が必要。
EVは、大容量のバッテリーを使っていて、寒い日にはヒーターの使用で著しく電力消費量も上がる。そのため長距離走行は控えるのがベターだ。
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ここまで見てきたとおり、−10℃程度の寒さなら、「寒いから注意が必要」というより、「整備を怠っていると寒い日にトラブルが出る」可能性が増す。予想外の寒さが予想外のトラブルにならないためにも、特に非降雪地域では、こまめな愛車のチェックを。
◆鈴木伸一
1957年生まれ。バイクの整備経験をきっかけに四輪の整備士資格を取得。整備士としてのバックボーンを生かしながら、自動車のメンテナンス・整備に関する記事を数多く執筆するメカニック兼フリーライター。
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