■報道がASIMOの将来を切り開くかもしれない
今回のNHKによるASIMO報道については、「これはあくまで憶測ですが」と前置きした上で、
「社内の一部には、ASIMOはもう不要ではないか、(初期の開発者の多くはもう別部署へ異動したのだから)次のステップへ進むべきではないか、と考えている人もいるようで、そういう方に取材されたのではないか」
とは前述のホンダ広報部。
ただそうした思いを抱くホンダ社内の人間も、「ASIMOはもう不要」と言っただけで、次世代ヒューマノイドロボットの開発についてまで否定しているわけではない、とも受け取れる。それだけ多くの関係者が、ロボットの持つ様々な可能性を模索しているということだろう。
ASIMOの技術は、研究開発中のパーソナルモビリティ「UNI-CAB」に加え、意外なところでは2輪レース「MOTO GP」の参戦マシンにも応用されているという。もちろん、現在活躍中の現行型ASIMOも、これまでどおりにPR活動などに活用されていくというから、「ASIMOと会えなくなる」ということでもなさそうだ。
最後に、ホンダ広報部は、
「今回の報道については、多くの社員が反響の大きさに驚いています。それだけASIMOが多くの方々に愛されているということを実感するいい機会になったし、改めて、大事にしていなかくてはならないという想いを強くしました」
とコメントしてくれた。
今回の報道は、ASIMOの存在の大きさをホンダ内部にも改めて知らしめたとも言え、愛らしいロボットであるASIMOの将来を切り開くきっかけになるかもしれない。
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