■本体サイズを変えないことで対応車種は増殖を続ける
これまで大画面カーナビの取り付けを諦めていたマーケットの門戸を開いたストラーダのFシリーズ。初代の「CN-F1D」は発表時に対応したのは144車種であった。
ストラーダが凄いのは性能だけではなく、「どの車種に取り付けが可能なのか」を地道に実車に装着してテストを行っている点だ。
2016年は144車種だったが、2017年に発表された「F1X」は一気に280車種に拡大、2018年の「F1XV」は350車種、2019年の「F1X」は400車種、そして最新モデルでは430車種以上とフローティングナビの業界標準とも言えるモデルに成長している。
■ユーザーニーズを反映させて便利機能を拡充して進化する
取り付け車種の拡大はもちろんだが、ストラーダが市場で高く評価されている理由のひとつに「常にユーザーの声を反映する」というスタンスがある。
2016年の初代モデルではディスプレイの可動領域は上下、チルト、奥行(取り付け時のみに固定)だった。しかしユーザーからは「左右方向にも動かして欲しい」という要望が多かった。筆者も過去の取材で開発担当者に話を聞くと当然それらは折り込み済みだったようで、翌2017年モデルでは左右各々15°にスイング機構(F1XDのみ)をプラス。元々視認性は高いディスプレイだったが、ドライバー側に向ければより地図は見やすく、また助手席側に向ければ地デジなどのAVソースが見やすくなることは誰の目にも明らかだ。
またストラーダと言えば地デジのほか、ブルーレイディスクの再生にも対応しているが、これも2018年に発売した「CN-F1XVD」で実現している。
■発売当初から変わらない本体サイズ。狭額縁構造で10V型を9V型と同サイズで
フローティング方式により大画面カーナビへの敷居を一気に下げたストラーダだが、実はディスプレイ本体の基本サイズ自体は初代から変わっていない。
2019年9月にはこれまでの9V型にプラスして待望の10V型ディスプレイを採用したモデルを発売。しかしスマホやタブレットなどでも使われている「狭額縁」構造を採用することで9V型と同じ本体サイズでさらなる大画面化を実現している。
■好発色の有機ELは軽量化にも有利。フローティング式に思わぬ恩恵となる
2020年モデルの最大の特徴は10V型ディスプレイに新たに有機ELを採用した点だ。実機を見て確認しても、自己発光する有機ELのメリットにより特に黒色の表現力が一気に向上したことに驚く。もちろん外光下でも反射が少なく視認性も向上している。
しかもフローティング方式のカーナビにおいて有機ELの採用はディスプレイ本体の軽量化と薄型化につながる。
実際今回、有機ELを搭載する「CN-F1X10BLD」などは外装フレームにマグネシウムダイカストを採用することで従来比で約30%、約0.7kg軽量化していると言う。
これが何を意味するかと言うと、フローティング方式の最大の敵である「路面からの振動」に強いという点にある。
可動部分が多ければ多いほど、路面の凹凸を拾った際、本体はもちろんディスプレイへの振動が視認性を大きく低下させる。
元々、ストラーダはこの点に関しては過去のモデルから実車装着により耐振動性を強化してきたが、今回のモデルはさらに軽量化と新型のシャーシユニットを開発することで剛性も強化していると言う。
前述した過去発売されていたインダッシュ型のディスプレイを搭載するモデルなどではこれが露骨に出てしまい、2DIN一体型よりも振動が顕著に表れてしまったが、現在のストラーダに関してはその点でも抜かりは無い。
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