現在の市販カーナビ市場において影響力の強さを誇示しているのが「大画面」トレンド。その中で特に注目すべきはディスプレイを本体から独立させて設置する「フローティング」と呼ばれる構造だ。
昨今ではストラーダ(パナソニック)が先鞭を付けたこの新トレンドに各メーカーが追随する格好になり、市販カーナビ市場には再び活気が出てきている。
果たしてこのフローティングカーナビゲーションは今後も主流になるのか?先行するストラーダを例に分析してみた。
文:高山正寛/写真:パナソニック
【画像ギャラリー】カーナビ大画面化のカギは「フローティング」にあり! トレンドの先駆者パナソニック「ストラーダ」シリーズ
■限られたユーザーしか享受できなかった大画面の快適さを意外な方法で
2020年モデルで4代目となるのがパナソニックのカーナビゲーション「ストラーダ」のFシリーズだ。
パナソニックは今回メインに解説するFシリーズのほか、180mm&200mm幅に設置することができる2DINタイプ、ポータブルカーナビの「Gorilla」など多彩なラインナップを持っている。
これまでカーナビと言えば、この2DINスペースにユニットを設置することで基本的にはディスプレイは7V型が上限と言われていた。一部のメーカーには200mm幅を活用した7.7インチ型も存在していたが、使用頻度の高いスイッチ類を設置する場合、やはり7V型を基本としていた点は否めない。
一方で純正ナビに目を向けると、クルマのインテリア、特にインパネ周辺のデザインは大きく変化、いわゆる“2DINの呪縛”に捕らわれない自由な設計=大画面化を加速することで市販カーナビとの差別化も成功した。
もちろん市販カーナビにも大画面カーナビは存在したが、基本は車種別専用のパーツ(パネル等)を購入し組み込む方法を採用。仕上がりは素晴らしいものだが、取り付け車種が限られている点(当然売れているクルマ)、そして何よりも専用パーツに別途出費が発生するケースが多かった。
つまり市販カーナビにおける大画面化は一部の限られたユーザー(クルマ)のみが享受できる世界だったわけだ。
■まさに逆転の発想 ディスプレイを本体から独立させて大画面化を実現
そこに投入されたのが2016年3月に発表されたストラーダのFシリーズ「CN-F1D」である。
限られたユーザーしか大画面化できないという悩みに対してストラーダはディスプレイを独立させるという答えを導き出した。
これまでは何とか2DINサイズの中にディスプレイを組み込むことに注力していたが、まさに逆転の発想とも言るもので、本体は従来通りの2DINユニットとして組み込み、ディスプレイだけをコンソールから飛び出すスタイルにした。
これが今のトレンドである「フローティングディスプレイ」の最初のモデルである。
余談だが、従来ディスプレイを本体から飛び出すようなスタイルとしては電動で格納できる「インダッシュ型ナビ」も存在していたが、格納する以上はやはりディスプレイのサイズは7V型が上限であった。またポータブルナビを1DINのスペースに専用キットを使うことで7V型以上のユニットを取り付け可能にした商品も存在したが、これはAV一体型ナビとは異なる。
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