■ブレーキパッドで扱いやすさをアップ
扱いやすいクルマにするカギのもうひとつはブレーキ。思った以上に止まらないとか、踏んだ瞬間つんのめるなんて最低である。踏み始めから欲しいだけ減速してくれるブレーキは快感になる。
そこで提案するのはブレーキパッド交換。一般的にはやや初期の効きが抑えられているモデルが好まれる。エンドレスならMX72やTYPE R、ACREなら700Cなどが代表的モデル。
ブレーキフルードとホースもそのタッチの改善に有効。高性能フルードはペダルタッチが硬質になりレスポンスよく効くようになる。ステンメッシュホースもペダルからの液圧をダイレクトに伝えてくれるので効きの応答がよくなる。デメリットのないチューニングだ。
■フロアボディ補強は誰にもバレずに体感可能!!
デメリットなくチューニングを感じてみるなら、下回りのブレース追加が効果的。ボディ補強というとタワーバーを思い浮かべるが、見た目ほど効かなかったり、じつは曲がりにくくなることも多い。そこでオススメはサブフレーム強化が目的にブレースバーだ。
ボディとサブフレームの締結を強化するタイプだと明確にハンドリングがシャープになり、ドイツ車のようなずっしりとした感じが手に入ることもある。それでいて乗り心地も良くなる。デメリットは最低地上高が下がることがあるくらいでほぼなし。しかも、奥様には高確率でバレないというのもオススメできるポイント。
■ECU書き換えこそ現代チューニングのど真ん中!!
そして、現代チューニングの真打ちとも言えるのが、ECUの書き換えチューン。ECU(エンジン・コントロール・ユニット)のデータを書き換えることでパワーやトルクアップを狙うチューニング。
ノーマルでは安全マージンとして濃い目にしてある混合気を薄くして、パワーを引き出す。
なんて言われたのは旧石器時代の話。
現代では燃費基準や、排ガス規制による制約が多い。それらの制約によって縛られている部分を改善。ガソリンの噴射量を絞るというより、可変バルブタイミング機構でバルタイを最適化し、それに合わせて点火時期なども微調整する。
エンジンの寿命が短くなるようなことは皆無で、ECUチューンしてサーキットをガンガン走って20万キロを超えるなどは普通のこと。
燃費も悪くなることは少ない。もちろん気持ち良いからとバンバン踏めば悪くなるが、ノーマルよりもパワーが引き出されているためむしろアクセル開度は減り、燃費が良くなることが多い。
また現代のクルマは電子制御スロットル(電スロ)を採用。ECUには電スロのマップがあり、ペダルとスロットルは連動していない。燃費が悪くならないようにアクセルを踏んでもちょっと遅れてスロットルが開くとか、逆にパワーがあると錯覚させるようにアクセル開度以上にスロットルが開くよう味付けされている。それらを乗りやすく、人間の感覚に合わせ込むのもECUチューニングの醍醐味。
実際86はスロットルレスポンスが悪い割に、グイッと踏み込むと、ドカーンと加速する「ナンジャコリャ」状態(筆者の感想です)。それをチューニングしてもらうと、いたって普通の乗りやすいクルマになり、86においてはECUチューンは速さではなく、乗りやすさの意味で必須だと感じている。
施工はチューニングショップでECUにデータをインストールしてもらう方式が主流だった。しかし、HKSからリリースされるフラッシュエディターは、OBDIIコネクターに挿してボタンを押すだけである程度合わせ込んだデータをインストールできる。
価格は7万円ほどで工賃もほとんどかからず、ディーラー入庫前などに自らノーマル戻しと、チューニングデータへの復帰ができるのも魅力。
本格的に合わせ込むならシャシーダイナモで空燃比やノッキングを確認しながらECUを合わせ込む「現車合わせ」が効果的。時間も手間も掛かるので15万円~20万円くらいが現車合わせの相場。
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