スマートフォンとの組み合わせることで、ナビや音楽プレーヤーとして活用でき、比較的低価格なこともあって人気が高いのがディスプレイオーディオだ。
国内ではiPhoneが人気なこともあり、このディスプレイオーディオに対応するソフトも多い。だが人気のナビソフトがAndoroidに対応するなど、徐々に盛り返しを見せている。
これによりライバルとの差は縮まるのだろうか。車載インフォテインメントシステムの将来も見据えて検証してみた。
文/高山正寛、写真/ナビタイム、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】Android Autoで「カーナビタイム」が使用可能に!! ライバルApple CarPlayとの差は縮まるか!?
■日本のディスプレイオーディオを牽引してきたのはAppleの「CarPlay」
スマートフォンに内蔵されているアプリを車載器に接続することでカーナビや音楽を含めたインフォテインメントを車内で活用できる仕組み。その二強とも言えるのがAppleの「CarPlay」とGoogleの「Android Auto」だ。
これに続く形でオープンソース・プラット・フォーム規格のひとつであるSDL(スマート・デバイス・リンク)が日本国内ではトヨタを中心に展開している。
これらの車載情報システムの実情としては「CarPlay」が圧倒的に強かった。その理由は簡単でサードパーティ、つまり他社製のナビアプリを使うことができたからだ。
日本ではアップル製品の人気が非常に高いのはいまさら説明の必要は無いが、ことカーナビとして使う場合もそのシエアを反映して「CarPlay」が優位であった。
実際、筆者も「CarPlay」をメインとしていたし(テスト用に常時iPhoneとAndroid端末を複数持ち歩いてはいるが)ディスプレイオーディオを使いたい、と相談を受けた場合、iPhone利用者であれば積極的にアプリをセレクトして薦めることもできた。
■サードパーティのナビアプリが使えなかった「Android Auto」
一方で「Android Auto」の場合、基本はGoogleマップをベースとしたアプリと極めて限られたサードパーティのみだった。正確に言えば、メッセージ系やメディア系のアプリに関してはサードパーティ製も使えるのだが、ナビ関連だけは許諾されていなかったのが現実だ。
しかし、遂にその日がやってきた。Googleは2021年4月5日(現地)にサードパーティ製のカーナビ系アプリをAndroid Autoに対応させることで「Google Play Store」からダウンロードしてディスプレイオーディオで使えるようになった。
実は昨年8月にGoogleがポリシー(セキュリティも含めたルールのようなもの)を拡張したニュースは入ってきており、少し遅れてでも日本でもサードパーティ製のナビ系アプリが使えるようになるのではという期待も高まっていた。
■CarPlayに続きAndroid Autoでも先陣を切ったのはあのアプリ
とはいえ、いきなりCarPlayに対応しているアプリが全部使えるようになったわけではない。CarPlayとAndroid Autoは開発環境自体も異なるわけだから話はそうは単純ではないし、開発費もかかる。
しかし、そこに先陣を切って参入したのがカーナビアプリとして高い実績を持つ、ナビタイムジャパンの「カーナビタイム」だ。なんと2021年6月11日にAndroid Autoに対応した。
このアプリは有償ではあるが、その分地図の更新タイミングの早さや渋滞情報を考慮したルート探索&回避能力、見やすい地図画面やUI、大小を問わずアップデートによる進化などの利点を持つ。
元々「カーナビタイム」は2018年9月に「CarPlay」にもいち早く対応しており、冒頭に述べたSDLにも対応していたが「Android Autoに対応していないのか」という声も多かったのも事実。
だが、今回の対応によりナビアプリのデファクトスタンダードとしての位置を確立できるのではないか、とも予想している。
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