■ウィンドウフィルムを貼る場合の法的な注意事項
ご存知の方も多いと思うが、フロントガラス(前面・運転席・助手席の3面)にウィンドウフィルムを施工する際は透過率70%を下回ると車検に通らない。
透過率70%というと、パッと見ではほぼ透明だ。よって「スモークフィルム」はすべてアウトだ。
最近はフロントガラスにUVカットフィルムを施工するユーザーが増えているようだが、「可視光線透過率測定器」を用いて測定し、透過率が70%を下回った場合はフィルムをはがさない限り車検には通らないので注意が必要だ。
なお、サイドガラス(セダンであればリア3面。ワゴンやミニバンであれば、リア5面)の透過率に関する規制はない。
■いまも昔もフルスモークは御法度
いまでもごくまれに見かけるフルスモーク車。当然ながら違法であり、そのままの状態では車検には通らない。このフィルムを剥がさない限り、ディーラーで点検を受けることすらできない。
オーナーはもちろんのこと、施工業者も罰せられるので、フルスモークを依頼しても断られるのが実情だ。
筆者がウィンドウフィルムの施工のアルバイトをしていた20数年前は、このあたりの線引きが緩かった。その分、フルスモーク車を見かける機会もいまとは比べものにならないくらい多かったように思う。
単にフルスモークといってもオーナーの依頼内容はさまざまで、リアの透過率を21%、フロントを36%・・・といった具合に「フルスモークだけど視認性も確保したい」というオーダーも少なくなかった。
またフルスモークというと「真っ黒」のイメージが強いかもしれないが、筆者が在籍していた専門店はグリーン系のフィルムが人気だった。一見すると「ちょっと濃いグリーンガラス」に見えるので、見た目も自然で威圧感が少ない。
ちなみに、芸能人のクルマを持ち込むある業者の依頼はいつも「透過率36%のグリーン系フィルムのフルスモーク」だった。
そして、いまでも強烈に覚えているのが、施工店で取り扱っていたフィルムのなかでもっとも透過率が低い「8%のスモークフィルムの2重貼り」だ。車種はアウディ80だったと思う。
ただでさえ、透過率が低いフィルムの2重貼り。しかもオーダーはフルスモークだ。
さすがにこれは危ないだろうと、2枚目のフィルムはドアミラーの部分が見えるようにカットして収めた。納車は筆者が担当した。
もはやフィルムではなく、カーテンを閉め、暗室のなかで運転しているようだったことを強烈に覚えている。はたして、あのクルマはどのような扱われ方をされたのだろうか・・・。
■ウィンドウフィルム施工に必要な道具とは?
ウィンドウフィルムを施工する際、どのような道具をそろえればよいのだろうか。施工者によって多少の差異があるだろうが、おおむね以下の道具を用意すればOKだ。
*プラスチック製のヘラ(数種類あると理想的)
*ゴムべら
・施工前に仮押さえするボード
*バケツ
*スプレー(2つ以上あるとベスト)
*カッターナイフ(フィルムをカットする際に使用)
*定規(できれば透明か半透明のもの)
*スポンジ(窓ガラスを洗う際に必要)
・ヒートガン(なければドライヤー)
・・・こんなところだろうか。上記の「*印」は100円ショップでも入手可能なアイテムだ。
カー用品店などで「フィルム施工専用セット」が売られているが、この道具を選んだからといって施工の仕上がりがよくなるわけではないので、それほどこだわる必要はないと思う。
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