■車載器がまだまだ高額
過去から言われていることだが、ETC2.0の機能を使うためには専用の車載器が必要だ。
冒頭に書いたように料金収受に関してはETCでも問題はない。昨今、首都高速の料金所では有人の料金所を廃止しETC専用入口が拡大しているが、これも普通に使うことができる。
そもそもETCが普及したのはキャッシュレス決済や料金所での渋滞が軽減できることでスムーズ&スマートな交通環境を構築できることだった。つまり普段の利用に関しても「あくまでも基本は」ETCで十分なのだ。
特にサービス開始時の頃はETCとETC2.0車載の価格差があまりにも違いすぎた。
国が2008年頃に無料で車載器のセットアップサービスを行ったことでETCの認知と普及は加速した。当時多くのユーザーが飛びついたわけだが、概ねセットアップも含めるとETC車載器は1万円強で取り付けられることも意識の中に植え付けられているのではないだろうか。
しかしETC2.0は価格が高かった。ヘタをすれば車載器の価格は数倍以上のものもあり、いくら多機能でもそこまでお金を出すことに抵抗があったのは想像できる(当時は筆者もそうだった)。
■価格は大分下がってきて買い得感も上がる
ただ昨今はこの価格差もかなり縮まっていることも理解しておく必要もあるだろう。
一例だが、話題沸騰のトヨタ新型プリウスだと下記の通りとなっている(いずれも税込み)。
・メーカーオプションのETC2.0車載器(ナビ連動型)→2万7500円
・ディーラーオプションのETC2.0車載器(ビルトインタイプ)→2万5850円
・ディーラーオプションのETC車載器(ボイスタイプ)→1万4300円
・ディーラーオプションのETC車載器(ベーシックタイプ)→1万1000円
確かに価格だけ見るとETC2.0車載器はETC車載器の約2倍なのでパッと見の高さは否めない。
それでも他社で5万円近くするメーカー系のETC2.0車載器が普通に販売されていることから考えるとトヨタは企業努力もしているし、実際ディーラーでセールスマンに話を聞いても納得のできる勧め方をしてくる。多分、機能云々を語る前に車載器自体が普及価格帯に落ち着くことが重要であると感じている。
■では今ETC2.0はどうなるのか?
こればかりは筆者は政府でも監督官庁の人間でもないので偉そうなことは言えないのだが、現在載っているクルマにもETC2.0は装着されている(ナビ連動型)。前述したように渋滞回避などはほとんど体感したことがないが、逆に重要かつありがたいと感じているのが「安全運転・災害時支援」機能だ。
関東圏に住んでいるドライバーであれば多くの人が体験したことがある首都高速4号線上りの新宿→代々木の急カーブ箇所。ここは新宿出入口手前で85Rの右カーブ、そして連続して代々木出入口付近に88Rの左カーブが連続する。
いわゆる見通しの悪いコーナーだが、ここを高速走っていて、もし渋滞末尾などに遭遇したら追突事故に繋がる(実際多い)。ゆえにここにETC2.0車載器に連携する「ITSスポット機器」を設置(2箇所)することで事前に速度低下を促し、事故低減に繋げている。
実際、首都高の発表によれば、これによる事故発生件数は実証実験前に比べ約6割減少しているという。
またVICS-WIDEでも近い機能はあるが、地震などの災害発生による緊急の規制情報などの提供などはさらに強化していくべきだろう。
何よりも高速道路は「逃げ場が無い」。だからこそETC2.0を普及させるためには安心・安全をサポートする独自機能の実装が求められるのだ。
この他にも高速道路会社とは管轄の異なる一般道や施設などでの利用を考慮した「ETC-X」との連携なども今後は考えていかなければならない。
今やスマホのバーコードで簡単決済ができる時代、ETCもスピーディかつ誰もが簡単に使える有益なサービスが求められている。
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コメント
コメントの使い方一般のドライバーからしたら、普通のETC車載器に比べてわざわざ高い値段を払う価値を感じないんでしょう。
ETC2.0は無駄な情報が入ってくるのがウザい。
神奈川県内の圏央道から愛知県方面にナビをセットして走ってるのに、首都高何号が渋滞中とか通行止めとか東京方面の情報何か要らねえよって毎回思う。かえってドライバーを惑わせてるじゃんかって。
目的地をセットしてるんだから反対方面のいらない情報はカットしてほしい。
>中型は道路交通法の区分では車両総重量7500kg以上、11000kg未満(最大積載量は割愛
高速道路の料金体系をもう一回調べ直してから、記事書きな