年末のこの時期、全国的に寒波に襲われることも多いが、雪への備えはもう済んでいるだろうか。
先日の記事では、雪道に強いSUVについて紹介したが、今回はもっと小さなサイズのクルマで検討してみたい。除雪などで道幅が狭くなるこれからのシーズン、コンパクトなクルマの機動力が頼もしい。
文:渡辺陽一郎
ベストカープラス2016年12月18日号
冬に効くコンパクトカー編
コンパクトカーの売れ筋は低燃費と低価格が重要。そのため4WDもコンパクトでシンプルなタイプが多い。こうしたなかで、選ぶとするなら……。
まず、人気のフィットはビスカスカップリング式を使う。前輪が空転するとカップリング内部のオイルがかき混ぜられ、後輪に駆動力を伝える。
4WDの採用に伴う重量増加は約70㎏で、価格上昇は19万円少々だ。高い実用性と低価格を両立させたフィットとあって4WDの価格も安い。
雪道などを走る機能に不満はないが、滑りやすい登坂路の発進では、前輪が空転した後で後輪が駆動する違和感が生じやすい。
こういった欠点を解消しているのが、デミオのi-アクティAWDだ。電子制御式により、ハンドル/アクセル/ブレーキの操作、前後左右の車両の動きなどから路面の摩擦や登降坂の状態を判断する。
これに基づいて4WDを機能させる予兆制御を行うから、車両が不安定になりにくい。
例えば雪道の登坂路で停車中と判断すれば、4WDをあらかじめロック状態に近づける。最初から後輪に充分な駆動力が伝わり、空転をほとんど発生させずに発進できるわけだ。
しかも価格は20万円弱とわりと割安だ。デミオの走行安定性は舗装路を含めて全般的に高く、4WDにも気を使ったモデルといえる。
ノートは後輪をモーターで駆動する4WDを採用。前輪が空転すると後輪にも駆動力を伝える。作動速度の上限が時速30㎞だから雪道発進を支援する程度だが、個性的な4WDとなる。機能的には立体駐車場を使える全高で広い車内を備えることが特徴だ。
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