【アクセラ、アテンザ、デミオと続々名門車名消滅…】マツダ車名統一戦略の功と罪

デミオからマツダ2への変更は失敗!?

デミオからマツダ2への車名変更を機にプレミアムコンパクト色を強めたが、車名変更の影響、デミオ時代に1.3Lが消滅したことで販売が縮小傾向にある

 マツダ2は2019年7月18日のマイナーチェンジで従来の「デミオ」から変更した。発売は9月からだった。9月の登録実績は4808台でまずまずのスタートだったが、10月2032台、11月1871台と急減し、デミオ時代の半分にとどまっている。

 この状況について首都圏にあるマツダ店の営業担当者は、「マツダ2の車名はよくない。マツダ3と間違えて購入を検討したお客さんもいた。デミオのほうがずっと理解されやすい。それにフルモデルチェンジする時に変えるようにしないと手先だけのごまかしといった誤解をされる。モデルそのものは現行デミオの発売から5年も経過している古いモデルということをお客さんは知っているので、新型になってから購入を検討するというユーザーが多い」とやはり手厳しい指摘をする。

 デミオは2018年8月30日のマイナーチェンジで従来の1.3Lモデルを廃止し、1.5Lモデルのみとした。これによって価格が上級シフトし、ライバル車である1~1.3Lモデルとの競合相手がなくなり、ユーザー層が縮小したのも販売減につながっているといえそうだ。

1996年に初代デミオが登場して2019年まで4世代にわたって慣れ親しんだデミオの車名が消滅したことを惜しむ人は多い

 マツダの商品戦略でのネックは、「マツダのクルマ作りは今後、ドイツのベンツやBMWのハイクオリティで走りのポテンシャル高さを志向し、価格戦略はフォルクスワーゲン並みの設定を売りに展開する」(マツダ営業関係者)という理念をマツダ店に周知徹底を図るべく要請している。

 この戦略の現れのひとつがこうした車名変更につながっているともいえる。世代交代や本命である「スカイアクティブX」のフルラインアップもうまく機能しなかったらマツダにとっては大きな痛手になるに違いない。

証言:首都圏マツダ店営業関係者

 今年は乗用車3モデルを一気にグローバルで使っている車名を統一したが、お客さんへの周知徹底にはしばらく時間がかかると予想している。

 今後の商品展開で新規モデルや従来モデルの世代交代で本命の「スカイアクティブX」を2Lのほか、1.5L、2.5L車を投入すると聞いている。

 これらがすべて出揃い、3モデルに搭載した時点で本当の評価が下されると思う。それまでは車名変更の正確な評価はできないと考えたい。

【画像ギャラリー】標準車より60万円高のマツダ3 SKYACTIV-Xはどんなクルマ?

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