荷室とシートアレンジ比較
スーパーハイトワゴンは、いずれの車種も軽乗用車では最大級の荷室を備える。特にN-BOXは、燃料タンクを後部ではなく前席の下に配置したから、荷室の床が低い。路面からリアゲートの下端部までの高さも470mmに収まる。自転車を積む時も前輪を大きく持ち上げる必要はない。
そのほかの車種の路面からリアゲート下端部までの高さは、スペーシアが510mmと低く、タントは580mm、ルークスとデリカミニは590mmだ(駆動方式はいずれも2WD)。荷室の広さと収納性ではN-BOXが注目される。
シートアレンジは、N-BOX/スペーシア/ルークス/デリカミニは共通だ。後席の背もたれを前側に倒すと、座面も連動して下がる。荷室の床に少し傾斜ができるが、おおむね平らな空間になる。
注意したいのはタントで、背もたれを前側に倒すと座面も下がる機能が装着されない。単純に背もたれが前側に倒れるだけなので、広げた荷室の床に段差ができる。荷室後端のデッキボードを高い位置にセットすると平らな荷室になるが、荷室の床が約120mm高まってしまう。荷室高が不足するから注意したい。
動力性能とエンジンフィーリング比較
すべての車種がノーマルエンジンとターボを用意する。ターボの動力性能は、各車とも余裕があるが、ノーマルエンジンでは差が生じる。エンジン排気量の割にボディが重く、ターボを装着しないとパワー不足に陥るからだ。
N-BOXは動力性能に比較的余裕がある。ノーマルエンジンでも、実用回転域の駆動力が高めで、走りが滑らかに感じる。タント/ルーミー/デリカミニは横並びだ。スペーシアは、ボディが軽くステアリング操作に対する反応は軽快だが、登坂路などではパワー不足を感じやすい。
走行安定性と乗り心地比較
N-BOXはステアリング操作に対する車両の反応が比較的正確で、乗り心地も快適だ。タントは先代型の操舵感が鈍かったこともあり、現行型では少し機敏に仕上げた。その代わり乗り心地が硬めで、路上の段差を通過した時は少し突き上げ感が生じる。スペーシアもボディが比較的軽く、運転感覚は機敏だが、硬さが気になる。
乗り心地が最も快適なのはデリカミニだ。特に4WDは足まわりの伸縮性が優れ、タイヤの空気充填量も多く、スーパーハイトワゴンの中でも乗り心地が最も優れている。その代わりカーブを曲がる時のボディの傾き方は大きめだが、走行安定性とのバランスを緻密に保っている。最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)にも余裕があり、悪路のデコボコを乗り越えやすい。
安全装備比較
各車種ともに衝突被害軽減ブレーキと運転支援機能を用意する。その上で個性化を図った。N-BOXはワイドなフロントカメラによって視野を広げ、低速用の衝突被害軽減ブレーキも備える。
タントはカスタムにハイビーム状態を保ちながら対向車の眩惑を抑えるアダプティブドライビングビームを装着した。
スペーシアも衝突被害軽減ブレーキの視野を広げ、自車が右左折する時でも直進してくる対向車や横断歩道上の歩行者を検知して衝突被害軽減ブレーキを作動させる。ルーミーとデリカミニは、2台前方を走る車両の動きも検知して、異常があった時は警報を発する。




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