■No.012 マツダ 6代目ファミリアGT(1985年登場)
●どんなクルマ?
1985年1月に登場した6代目ファミリアは、同年10月に当時テンロククラス最強の最高出力140psを発生する1.6L直4ターボエンジンを搭載するGTを追加。
また当時日本初となるフルタイム4WD車を設定するとWRCに参戦し、スウェーデンラリーで見事に優勝を飾った。
●中古で探すと?
今回調べたところ、ファミリア5ドアハッチバックの中古車はわずか9台しか流通していないが、そのうちの1台が6代目ファミリアGTだった。価格は約59.8万円。走行距離は10万km超だが、タイミングベルトは交換済みだった。
■No.013 いすゞ 3代目ジェミニイルムシャーR(1990年登場)
●どんなクルマ?
1990年に登場した3代目ジェミニにも、先代に続きロータスやイルムシャーといった欧州のチューナーが手を加えたモデルが設定された。なかでもイルムシャーの手によるイルムシャーRはクラストップの最高出力180psを発生する1.6L直4ターボ+フルタイム4WDという硬派なモデルだった。
●中古で探すと?
1970年代に発売された初代ジェミニのスポーツモデルZZ-Rはまだ見つけられる。しかし3代目ジェミニの中古車はあまり流通しておらず、今回の調査で1台だけ見つけたイルムシャーRには66万円の値付けがされていた。
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かつてはこれほどまでに魅力的なモデルが多数存在した「テンロク」エンジン搭載車。では、現行国産モデルにテンロクエンジン搭載車はあるか。
見つかったのはノートNISMO S、ジュークのターボ系、インプレッサ、レヴォーグ、SX4 Sクロスのわずか5台。正直、サミシイ。
しかもノートNISMO、ジューク、レヴォーグなどは多少スポーツを感じるが、SX4 Sクロスをして、スポーティという人はなかなかいないだろう。正直、サミシイ。
というわけで現在、国産テンロクスポーツは風前の灯状態なのだが、希望はある。それは先の東京オートサロンでワールドプレミアされたGRヤリスだ。272ps/37.7kgm発生の1.6L直3ターボを積むGRヤリスは、本企画で紹介したどのモデルにも劣らぬほどの強力な魅力を備えている。
願わくば他メーカーからも同じように気合の入ったテンロクスポーツが出るといいなぁ。
【番外コラム】ハチロク以前のテンロクスポーツ
(TEXT/片岡英明)
1967年夏、痛快なテンロクスポーツとして走り屋たちを魅了したのが510の型式を持つ日産ブルーバード1600SSSだ。新設計のL16型OHCエンジンにSUツインキャブ、ポルシェシンクロの4速MT、そして4輪独立懸架のサスペンションを採用して冴えた走りを披露した。
が、1960年代後半からはDOHCエンジン搭載車がテンロクスポーツの主役となる。トヨタはブルーバードと同じ時期に、ライバルに先駆けてDOHCエンジンに5速MTを設定した俊足のトヨタ1600GTを送り出した。
これに続き1970年12月にはセリカを発売。スペシャルティカーというジャンルを開拓している。主役の1600GTが積むのは、後に名機と讃えられる2T-G型DOHCだ。キャブはソレックス40PHHキャブ2連装、ミッションは5速MTである。
このパワフルなエンジンを軽量コンパクトなボディに押し込み、レースなどでも活躍したのがTE27型カローラレビンとスプリンタートレノだ。
同じ時期、三菱も高性能テンロクスポーツを発売した。ファストバックにダックテールのギャランGTOだ。リーダー格のMRはクラス最強の4G32型DOHCエンジンを積んでいる。OHC仕様の4G32型エンジンを積むランサーやFTOの1600GSRもフットワークは軽やかだ。
4速MTだが、いすゞにもDOHCエンジンを積むベレット1600GTRや117クーペなどの名車があったことは覚えておきたい。
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