【マツダの旗艦 次期型は2022年!! どうなる…!?】絶不調マツダ6に挽回策はあるか?

 マツダアテンザ改め、マツダ6の販売が伸び悩んでいる。2019年7月4日のマイナーチェンジを期にアテンザから「マツダ6」に車名変更したが、販売台数は不振のままだ。

 マツダ6に車名変更以降の販売台数は、2019年7月669台、8月589台、9月639台、10月248台、11月242台、12月184台、2020年1月207台、1月299台と、平均販売台数は約385台とアテンザの時とほとんど変わらない。

 直近の2020年2月のデータを見ると、マツダ6のセダンが159台、ワゴンが140台。競合車のカムリ(セダン)の2月の販売台数を見ても1300台だから、その不振ぶりが目立つ。

 とはいえ、クルマとしての評判は悪くなく、デザインの評価も高い。むしろクルマの出来としては、よくできているという評価が多いのだ。

 ではなぜマツダ6の販売がうまくいかないのか? 挽回策はないのか? モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が解説する。

文/渡辺陽一郎
写真/ベストカー編集部 ベストカーWeb編集部

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なぜマツダ6の販売は元気がないのか?

2019年7月にアテンザからマツダ6に車名変更を行った

 クルマ好きのユーザーにとって、最近のマツダ車は気になる存在だろう。OEM車を除くと、すべてのマツダ車が魂動デザインとSKYACTIV技術に基づいて開発され、外観のカッコ良さと運転する楽しさを両立させている。

 イメージリーダーとなる車種は2シータースポーツカーのロードスターで、CX-5やCX-30などのSUVも増えた。

 販売面で元気がないのは、セダンとワゴンを用意するマツダ6だ。現行型は先代CX-5と同じ2012年にアテンザの車名で発売され、2019年7月のマイナーチェンジでマツダ6に改名し、新たに2.5Lターボエンジン車を設定し、Gベクタリングコントロール(GVC)プラスを全車標準設定した。

 2019年の登録台数は、アテンザとして売られた期間も含めて、1ヵ月平均で約450台だ。CX-5は1ヵ月平均で約2600台を登録したから、マツダ6の売れ行きはCX-5の20%以下にとどまる。

マツダ6セダンのボディサイズは全長4805×全幅1840×全高1480mm、ホイールベースは2830mm

 マツダ6の売れ行きが伸び悩む背景には、複数の理由がある。まず全長が4800mm、全幅も1800mmを超えるセダン&ワゴンは、今の日本では全般的に売れ行きが低調なことだ。

 2019年に最も多く登録されたLサイズセダンは、従来型からの乗り替え需要も多いクラウンだが、1ヵ月平均で約3000台だった。Lサイズセダンの2位はカムリで1600台、3位はレクサスESで930台となる。

マツダ6ワゴンのボディサイズは全長4805×全幅1840×全高1480mm、ホイールベース2750mm。デザインが美しいワゴンは貴重な存在だ

 ワゴンは車種自体が減り、ミドルサイズのレヴォーグが約1000台だ。プリウスが1ヵ月平均で1万台以上を登録したことを考えると、マツダ6の属するカテゴリーは、他メーカーも含めて販売が低迷している。

 Lサイズのセダン&ワゴンが売れない理由は、商品の魅力が全般的に乏しいからだ。マツダ6で売れ筋になるクリーンディーゼルターボを搭載したXD・Lパッケージは、価格が400万円を超える。

■マツダ6セダン&ワゴンのラインナップ(価格はセダン&ワゴン共通)
●ガソリン車
・20S:289万3000円
・20Sプロアクティブ:309万1000円
・25S Lパッケージ:363万5500円
・25T Sパッケージ:431万7500円
●ディーゼル車
・XD 2WD:331万1000円、4WD:355万3000円
・XDプロアクティブ 2WD:350万9000円、4WD:375万1000円。6MT 2WD:356万4000円、4WD:380万6000円
・XD Lパッケージ 2WD:405万3500円、4WD:429万5500円

■パワートレイン
・20S:2L、直4ガソリン、156ps/20.3kgm WLTCモード燃費:15.0km/L
・25S:2.5L、直4ガソリン、190ps/25.7kgm、WLTCモード燃費:14.2km/L
・25T:2.5L、直4ターボ、230ps/42.8kgm、WLTCモード燃費:12.4km/L
・XD:2.2L、直4ディーゼルターボ、190ps/45.9kgm、WLTCモード燃費:17.8km/L(MTは19.6km/L)

 この価格帯は趣味性で選ばれる領域で、ユーザーも大半がクルマ好きだ。価格が500万~600万円に達しても、走行安定性、乗り心地、内外装の作りが優れたクルマを選ぼうとする。

 そうなるとマツダ6のような日本のLサイズセダン&ワゴンは不利になりやすい。マツダ6を含めて大半の車種が2014年以前に発売されているためだ。運転席に座ってインパネを見た瞬間から、古さを感じてしまう。

 そもそもアテンザは2012年11月に発売され、4回目のマイナーチェンジとなる2018年5月に大幅なマイナーチェンジを実施して、インパネの形状も刷新した。

 その効果で内装については発売から7年以上を経過しながら古さをあまり感じないが、フロントマスクなどは今では古典的だ。乗り心地にも古さを感じる。

マツダ6のコクピット。 2018年5月のマイナーチェンジでインパネやドアトリムなどのデザインを大幅に変更。ダッシュボード上のセンターディスプレイは従来の7インチから8インチへと拡大するとともに、コントラストが従来比で約2倍に向上した。またフロントコンソールの分割をなくし、Aピラートリムとインパネの隙間の減少。さらにはシフトパネルまわりには傷に強い材質を採用したほか、フレームレスルームミラー、コマンダー/空調/アウターミラースイッチ全周にダイヤモンドカットを施すといった細かな改良も行なわれた

 2015年以降に発売されたLサイズのセダン&ワゴンは、先に挙げたクラウン、カムリ、ES程度しかない。

 そのためにセダン&ワゴンの需要がメルセデスベンツやBMWなどのドイツ車に流れている。

 先に述べた通り、予算に余裕のあるユーザーも多いからだ。2019年、メルセデスベンツCクラスは1ヵ月平均で1400~1500台を登録しており、日本車と同等に売れている。

 このほかマツダ6の場合、販売店舗数も影響した。クラウンを売るのは、今は東京地区を除くとトヨタ店のみだが(2020年5月以降は全国の全系列約6000店が扱う)、それでも約1000ヵ所で売られている。

 対するマツダの店舗数は、約800ヵ所だ。2000年頃には約1300ヵ所あったから今は大幅に減った。販売ネットワークが縮小すれば、当然に売れ行きも下がる。

 以上のようにマツダ6は、Lサイズセダン&ワゴンのカテゴリー自体が不人気で、そこに設計の古さ、販売店舗数の少なさも加わって登録台数を減らした。複数の理由があるため、売れ行きをアップさせるのは容易ではない。

フルモデルチェンジしか手はない!?

流麗なフォルムでデザインに対する評価は高いのだが……

 マツダ6が発売から7年以上を経過することを考えると、本来ならフルモデルチェンジが必要だ。プラットフォームを刷新して走行安定性と乗り心地を向上させ、内外装のデザインも洗練させる。

 具体例を挙げれば、ボルボのV60やS60のようなクルマ作りを目指すといいのではないだろうか。

 今のマツダとボルボは、デザインとメカニズムに特徴を持たせ、いわゆる選択と集中に基づく商品開発を行う。

 ボルボは顧客のニーズを上手に押さえており、同様の商品開発はマツダにとっても実現可能で参考になると思う。

 ただし、今のマツダの上級車種は、直6エンジンを縦向きに搭載するFR車の開発に取り組んでいる。

 2022年以降といわれている次期マツダ6の発売までは、しばらく時間を要する。そうなると現行マツダ6を生かしたテコ入れが必要だ。

ワゴンはクロスオーバースタイルのモデルを出すべき!

ボルボは60シリーズの場合、標準仕様のセダンのS60、ワゴンのV60、SUVテイストのV60クロスカントリー、さらにSUVのXC60をラインアップしている

 ワゴンについては、今の流行を考えると、ボルボV60クロスカントリーに相当するSUV風の仕様があると良い。

 フィットやフリードもSUV風のクロスターを設定した。今では定番的な派生モデルだから個性はないが、相応の効果は期待できる。

 派生型SUVで最も成功したスバルXVは、ベースとなったインプレッサスポーツの2倍近く売れている。

 ちなみに今のマツダは、OEM車を除いて乗用車を8車種そろえるが、この内の4車種はSUVだ。マツダ6ワゴンやマツダ3ファストバックに、SUV風の派生モデルがあるとブランドイメージも引き立つ。

 一方セダンは難しい。2.5Lターボの動力性能を高めた6速MTのスポーツモデルとか、内装の質感と乗り心地を向上させたプレミアムモデルが考えられるが、大量に売れる見込みはない。

 やはり、マツダが今開発中で、クラウンと兄弟車になるかもしれない「直6のFR」という、セダンとしては最強の飛び道具を持った新型セダンを待つしかないだろう。

マツダは2019年5月9日の決算報告会見の場で直6エンジンの開発、さらにFRプラットフォームの開発を明らかにした。アテンザ(マツダ6)を上回る大型スポーティサルーンの開発の表明したのだ。次期マツダ直6FRサルーンのCGイラストはベストカーが製作したもの

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