2代目BMW 3シリーズ(E30型)/1983年~1991年 現在の中古車価格:120万~250万円
六本木通りに路駐されていた輸入車NO.1がW126型メルセデスベンツSクラスであったなら、「六本木通りを実際に走っていた輸入車NO.1」はこちら、E30という型式名を持つ2代目のBMW3シリーズだっただろう。
5ナンバー枠に収まるそのサイズ感が似ているということと、あまりにも数が多いということから「六本木のカローラ」というありがたくない俗称を付けられたBMWである。
BMWがE30の正規輸入を開始したのは1983年。ちょうどフジテレビ系列で『オールナイトフジ』の放送が始まり、オールナイターズと呼ばれた女子大生たちの美脚や胸に、全国の童貞男子が悶々としはじめた頃だ。
こちらもW126同様、バカ売れしはじめたのは1986年頃からで、2ドアクーペの「325i」が追加されたあたりのタイミングだ。
同クラスの日本車と比べて325iも320iも余裕で200万円ぐらいは高額だったが、その分だけE30型3シリーズは「富の象徴」となり、これを用いてのナンパ行為はきわめて成功率が高かったという。ただし筆者は純情なビンボー学生であったため、実際の確率については不詳である。
現在、E30型BMW 3シリーズの中古車相場は120万~250万円といったところ。全国に10台あまりが流通している。
1991年式の320i、走行距離6万km、148万円、1991年式318i、走行距離1.1万kmのワンオーナー、132万円。といった具合に程度のいいクルマやワンオーナー車が数台見受けられ、下品な改造がされていないフルノーマル系が多い。
■中古車流通台数:10台、中古車価格:120万~250万円
ベンツ190E(W201型)/1985~1993年 現在の中古車価格:60万~220万円
2代目BMW3シリーズが「六本木のカローラ」というありがたくない俗称を頂戴したクルマなら、「小ベンツ」という間の抜けた俗称を与えられたのがこちら、W201ことメルセデスベンツ190Eだ。
Sクラスとほぼ同等のクオリティを、5ナンバーサイズの小さなボディに詰め込んだ小ベンツ……じゃなかったW201は、ドイツ本国では1982年にデビュー。
そして日本への正規輸入が始まったのは1985年、フジテレビ系列で『夕焼けニャンニャン』の放送が始まり、マジメな話としては男女雇用機会均等法がやっと成立した頃だった。
前述したとおりW201という小型セダンは、当時のSクラスの圧倒的クオリティなそのままに、「それを小さくしただけ」という素晴らしいクルマだった。
Sクラスの300SEに対しても「ゴーロクマル以外は……」などと言ってしまう世相に対しては完全に無力で、ただただ「小ベンツ」と馬鹿にされたのであった。
しかし2020年の今になってW201型の実力は再発見され、その中古車は60万~220万円というなかなかの高値で販売されている。
たしかに小ベンツとはいわれていたが、形だけでなく、作り、品質など中身もSクラス譲りだったのだ。
W124型やW126型と同様、頑強なボディ剛性でドアの開閉音も重厚、5ナンバークラスで当時最小のコンパクトセダンにはどうみても過剰品質だった。
また、ペダルが踏みやすいように着座状態でドライバーの膝が曲がる角度が120度になるように設計され、硬めながらも疲れにくい構造となっているシートなど、メルセデスベンツが「最善か無か」という思想で最高品質を求めていた時代に作られたのがW201型だった。それが今見直されているということだ。
サッコプレート(ボディ下半分のプロテクトパネル)が付く1988年式以降の程度がそこそこいいもので80万円くらいから、1992年、1993年式の最終モデルで100万円からあり、なかには1993年式の190E2.6、走行距離3.3万kmで138万円という個体もあった。
コスワース製DOHCヘッドを積む2.3-16Vは470万円で売られていた。2.5-16V(エボI、総生産台数500台)に関しては500万円以上の値が付く場合も多い。また超希少車の2.5-16VエボリューションIIも2480万円(総生産台数500台)で販売されていた。
■中古車流通台数:36台、中古車価格:60万~220万円
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